コラム・連載・特集

【激震 元法相夫妻公判】案里被告の審理大詰め 15日求刑、23日結審、年明け判決 買収意図で主張対立

2020/12/12 23:31
河井案里被告

河井案里被告

 昨年7月の参院選広島選挙区の大規模買収事件で、公選法違反罪に問われた河井案里被告(47)=参院広島=の審理が東京地裁で大詰めを迎えている。これまでの公判で、現金を受け取ったとされる広島県議ら5人が検察側の証人として出廷し、買収の現金だったと証言。一方、無罪を主張する案里被告は被告人質問で買収の意図はないと訴えた。23日に結審し、年明けに判決が言い渡される見込みだ。

 起訴状によると、案里被告は昨年3〜6月、夫で元法相の克行被告(57)=衆院広島3区=と共謀し、参院選で当選するために県議4人と江田島市議1人にそれぞれ10万〜50万円を渡し、計170万円を提供したとされる。県議選中に渡した現金も含まれ、8月の初公判では「陣中見舞いだった」などと主張した。

 しかし、9、10月の公判で証言に立った5人は買収のための現金と感じたと説明。「もらってはいけないお金だった」などと違法性を認めた。案里被告は領収書を求めておらず、「領収書を出そう」という県議側の申し出を断ったとの証言も。以前に案里被告から陣中見舞いや当選祝いをもらったことはないとの証言も相次いだ。

 ▽「有罪揺るがぬ」

 ある検察幹部は「県議らは現金を受け取った後に、案里被告の選挙活動をしている。票の取りまとめの立証は十分で、有罪は揺るがない」と自信を見せる。

 一方、案里被告は11月の被告人質問で「(参院選に立候補して)14年間務めた県議を卒業するので感謝の気持ちだった。票を金で買う発想はない」と強調。買収の意図を否認した。

 ▽証言の秘書解職

 公設秘書が案里被告の了承を得て10万円を渡したとしている江田島市議への現金提供は「全く知らなかった」と関与を否定し、「法廷での秘書の証言に虚偽があった」と非難。11月下旬にこの秘書を解職した。

 現金を受領した5人が選挙戦で案里被告を応援した点についても、案里被告の弁護人は「県議らは現金を受け取らなくても元々(案里被告を)応援するつもりだったと証言している。参院選と現金授受の時期が離れており、買収の意図で渡したわけではないのは明らかだ」と反論する。

 罰金刑以上が確定すれば案里被告は失職することから、「百日裁判」として迅速な審理を目指してきた。弁護人を解任した影響で審理が大幅に遅れている克行被告と比べてスムーズに進んできたが、7月8日の起訴から既に5カ月が経過している。

 今後は15日の公判で検察側が求刑。23日の最終弁論で弁護側が意見を陳述して公判は結審する見込み。全面対決の構図のまま最終盤に向かう。(中川雅晴、河野揚)

この記事の写真

上記の写真をクリックすると拡大して表示されます。

  • 前の記事へ
  • 次の記事へ

 あなたにおすすめの記事

河井夫妻買収事件公判の最新記事
一覧