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【激震 元法相夫妻公判】案里被告、表情変えず 求刑には前向いたまま

2020/12/15 23:18
検察側の論告求刑を、頬づえをして聞く案里被告(イラストと構成・勝山展年)

検察側の論告求刑を、頬づえをして聞く案里被告(イラストと構成・勝山展年)

 「求刑1年6月」。昨夏の参院選広島選挙区で買収をしたとして公選法違反罪に問われた河井案里被告(47)=参院広島=に対し、検察側は15日の論告求刑公判で、案里被告が地元の有権者を裏切り、国民の信頼を失墜させたと指摘した。約2時間に及んだ論告の最後に、ひときわ大きな声で求刑された案里被告は前を向いたまま表情は変えなかった。

 案里被告は白いマスクに黒のワンピーススーツ姿で2人の弁護人の間に着席。開廷前は弁護人と談笑していた。公判が始まり、検察官が早口で論告を始めると、案里被告は手元の資料を読みながら、ノートにメモを取ったり、小声で弁護人に話し掛けたりした。

 「被告の弁解は明らかに虚偽」―。論告の終盤、検察官の口調は厳しさを増し、買収意図を否定して無罪を訴える案里被告を批判。案里被告から口裏合わせの電話を受けたと県議が証言した公判で案里被告が「あはは」と笑い出したことを一例に「反省の情は皆無」と指弾した。案里被告は次第に裁判官の方に目をやることが多くなり時折厳しい表情も見せた。

 「民主政治の根幹を危うくする重大な犯罪」「厳罰で臨む必要がある」。こう訴えた検察官は求刑で、懲役1年6月に加え、案里被告の公民権の停止期間を5年間から短縮しないように求めた。公選法は選挙犯罪で処罰された場合、原則として公民権を5年間停止すると定める。その間、政治家に就くことはできない。

 一連の公選法違反疑惑の発覚から1年1カ月。案里被告は10月下旬に保釈後も国会を欠席する一方で、辞職はしていない。左胸に議員バッジを付け、論告を聞いていた案里被告。23日の最終弁論で最後の主張をして、8月25日に始まった裁判は結審する。(中川雅晴)

【詳報・案里被告第28回公判】(12月15日)
 検察側論告<1>被告の選挙情勢は厳しいと予想された
 検察側論告<2>投票及び選挙運動の報酬の趣旨であったことは明らか
 検察側論告<3>被告と克行被告の間で共謀が成立していたことは明らか
 検察側論告<4>被告は克行被告との間で直接意を通じていた
 検察側論告<5>被告の弁解は不自然・不合理な点が多く明らかに虚偽
 検察側が懲役1年6月を求刑「前代未聞の極めて悪質な犯行」

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