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コロナの年の「帰省暮」

2020/12/17 6:10

 生活のリズムを大きく乱された1年が暮れようとしている。入学式や秋祭りなど風物詩ともいえる行事がコロナ禍によって中止になった。途絶えた伝統もある。と思ったら、見直されて復活するものがある。「暮れのごあいさつ」もその一つ▲GoToトラベルの一時停止が決まり、帰省を控える人は一層増えそうだ。自粛ムードの一方で、お歳暮商戦が例年より熱を帯びたという。家族や友人と会えない分、心尽くしの品を贈って、息災や感謝を伝えようと▲帰省とお歳暮をかけ合わせた「帰省暮」「帰歳暮」の造語が現れた。子どもや孫の顔を見るのを心待ちにしていた親の方でも少し慰めになるだろうか。ときめきて紐解く歳暮子より来し(村井昌子)▲子どもの担任の先生や会社の上司に、暮れのごあいさつ―。そんな習慣も今は昔に違いない。不景気が続く上、接待や癒着には厳しい目が向けられる。贈答文化の衰退は時代の流れだろうが、帰省暮ならば歓迎したい▲歳末商戦ではおせちの注文も好調と聞く。帰省できない分、自宅でちょっと豪華に新年を迎えようというのだろう。高級食材や料亭の味も人気らしい。懐かしい顔とつつく故郷の味には及ぶまいが。

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