【こちら編集局です】「安倍氏説明を」多数 政治へ不信感や怒り
安倍晋三前首相の後援会が「桜を見る会」前日に主催した夕食会の費用補填(ほてん)問題で、安倍氏が東京地検特捜部から任意で事情聴取を受けた。編集局は22日、無料通信アプリLINE(ライン)でつながる読者に受け止めを尋ねた。「逃げ得を許してはいけない」「国会での証人喚問を」。関与を否定したとみられる安倍氏に説明を求める意見が目立ち、「政治とカネ」の問題が相次ぐ現状を非難する声も多く寄せられた。
費用補填を巡って検察側は、安倍氏の公設第1秘書を政治資金規正法違反(不記載)の罪で近く略式起訴する方向で検討。一方、安倍氏は不起訴処分となる公算が大きい。
「そもそも秘書が指示なく法に違反することをするだろうか」。広島市東区の公務員男性(37)は疑問視する。「費用負担を知らないわけがない」「トカゲの尻尾切りだ」との意見も多数あった。東広島市の会社員男性(52)は「秘書のやったことは雇い主の責任であるべきだ。たとえ知らなかったとしても責任を取らないといけない」と強調した。
夕食会費が安すぎるとの野党の追及に、安倍氏は国会で「事務所が補填した事実は全くない」などと繰り返してきたが、安倍氏周辺は費用の補填を認めているという。安佐北区の男性(69)は「国会での証人喚問は不可欠。菅義偉首相が官房長官としてかばってきたことも厳しく追及してほしい」。廿日市市の男性(25)も「根拠を示し、国民に具体的な説明を」と求めた。
一方、佐伯区のピアノ教師女性(62)は「秘書の報告の仕方が悪かったのでは。安倍氏に非はなかったと思う」と受け止めた。歴代最長政権を担った安倍氏の業績を評価する呉市の会社員男性(51)は「不起訴で全く問題ない」。西区の医師女性(58)は「それよりも(政治は)新型コロナウイルス対策など喫緊の問題に速やかに対応してほしい」と訴えた。
昨年7月の参院選広島選挙区を巡る大規模買収事件をはじめ、「政治とカネ」の問題が絶えない。22日には、鶏卵生産大手「アキタフーズ」(福山市)グループ元代表からの現金受領疑惑が浮上した自民党の吉川貴盛元農相が衆院に議員辞職願を提出し、許可された。森友・加計学園問題なども含め、寄せられた意見からは政治への不信感や怒りがにじむ。
尾道市の自営業女性(38)は「今回は不起訴に終わっても、検察は今後も問題に切り込んで」と注文した。中区の主婦(49)は嘆いた。「血税から政治家に多額の給料が支払われていると思うと、やりきれない気持ちでいっぱい」(松本恭治)
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