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お年玉という来訪神

2020/12/23 6:59

 東北の地方紙に目を通す。〈ナマハゲ黙る〉の見出しが目に留まった。恐ろしい形相で年の瀬に家々を巡る秋田・男鹿半島の行事。主催者がコロナで頭を抱えている、と報じていた▲時節柄帰省客も多く、取りやめる地域が出ている。決行する地域も、ナマハゲ役はうなるだけ、玄関から先に上がらない―と決め事をした。訪問先の酒食のもてなしもご法度。「泣く子はいねがあ」と子どもを泣かせてこそ喜ばれる「来訪神」としては迫力がないが、致し方ない▲日本中の子どもには、お年玉という来訪神の行方が気になる。帰省や年始回りがはばかられる中、来てくれるのかな▲はやりの「〇〇ペイ」などを使う手がある。ある団体の意識調査では、親の過半数が電子マネーのお年玉に賛成。便利で、コロナ対策になる。もっとも半数近くは反対で、お金のありがたみが伝わらない、情緒がない―という。そしてまた、実際に電子マネーで上げようという人は1割にとどまっているそうだ▲〈万一にキャッシュ握って初ペイペイ〉とサラリーマン川柳にある。お年玉を渡す側も、もらう側も異例の年。大人の言うことちゃんと聞くかあ、と念押ししたい先輩諸氏はきっといる。 

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