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豪雪呼ぶ負の「北極振動」

2020/12/29 6:35

 気温が低くなり、空気が乾燥するほど人は鍋をつつきたくなる。その理屈で日本気象協会が「鍋もの指数」をはじく。あすから元日まで広島市は毎日90%と予測。「秋田きりたんぽ鍋」がお勧めだそうだ▲なぜ、きりたんぽか、その点の説明はないものの、強い冬型の気圧配置になりそうだ。列島は広く大雪、大荒れに。テレビの予報で鹿児島にも「雪だるま」が描かれていた。関越道で起きた2100台の車の立ち往生から2週間もたっていないのに▲近年の異常気象を「北極振動」という大気の流れで読み解く理論がある。その指数が「正」に振れると列島に暖冬を、「負」に振れると寒波をもたらすという▲極東の片隅の天候も、北半球全体の異変に大きく左右されるのだろう。入学式の頃に咲くソメイヨシノが卒業式の頃、満開になってしまったのもそう。この冬、群馬県の温泉町に3日で2メートル積もった雪もそう。しかも北極振動は予測が難しいようだ▲作家高田宏さんの随筆に「十年あまり前からだったか、雪が変化しはじめた」とある。信州に住まう前世紀の終わりに「湿雪」を知る。関越道でも重い雪が除雪を妨げた。コロナだけでなく雪に抗する冬でもある。

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