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年末年始のコロナ対策 新年を元気で過ごそう

2020/12/29 6:35

 年末年始を、新型コロナウイルスの感染拡大が深刻な状況で迎えることになってしまった。

 1年を締めくくり新たに歩みだす節目となる時季である。地方の私たちにとっては上京している家族の帰省も待ち遠しい。しかし残念ながら、ことしは例年の行動を控えねばならない。大切な人たちを守るため、自ら行動を律したい。

 政府はきのう、観光支援事業「Go To トラベル」を全国で一時停止した。人の往来を抑制し、感染拡大に歯止めをかけたい考えだ。しかし1日当たりの国内感染者数は増え続け、先週は連日のように過去最多を更新した。事業停止の判断が遅かった感は否めない。

 さらに政府は全ての国・地域を対象に、外国人の新規入国も一時停止した。欧米で拡大している感染力の強い変異種の新たな国内侵入を阻止するためだ。

 切迫した状況下と認識し、旅行はもちろん、帰省や会食もできるだけ控えたい。

 政府の新型コロナ感染症対策分科会の尾身茂会長は飲食の場を「感染拡大の急所」と指摘する。中でも飲食時の会話が急所という。忘年会、新年会は自粛した方がいいだろう。家庭や職場にウイルスを持ち込み、クラスターを引き起こしかねない。

 また尾身氏は、年末年始が大事だと強調した。年明けには社会経済活動が活発になり感染が急増する可能性が高いとして、年末年始に下方へ転じさせねばならないと訴えた。

 広島県も集中対策期間を来月17日まで延長した。広島市や近隣地域でも感染拡大がみられ、当然の判断だろう。広島市など2市3町と行き来する帰省を自粛するよう要請したほか外出機会を減らし、同居家族以外での会食も控えるよう求めた。

 感染者の急増で、医療の提供体制が逼迫(ひっぱく)しているためでもある。年末年始は医療機関の多くが休診し、人員も手薄になる。当番医で対応するものの、熱が高いなどの症状が出ても診察を受けられない「発熱難民」の続出が懸念される。医療現場の負担を増やさぬよう、一人一人の心掛けが重要になる。

 ところが政治家が間違ったメッセージを発信し続けている。

 菅義偉首相は自民党の二階俊博幹事長らと8人でステーキ会食をして批判を浴びた。後に反省を述べたが、二階氏は違うようだ。「会食が目的ではなく、意見交換を考えてやった」と反論した。自分たちは特別とでも思っているのだろうか。

 大人数の会合に出席する閣僚経験者らが相次ぐ。前IT担当相は約80人参加の政治資金パーティーを開催。その後、感染が分かり入院した。元沖縄北方担当相は30人の会合で飲酒し、転倒。救急搬送された。何を考えているのか。

 先週末、首相は会見で「静かな年末年始を」と、今更のように呼び掛けたが、国民に響いたとは思えない。無自覚で無責任な政治家自身の言動のせいだ。

 私たちは警戒心を緩めず、過ごそう。もっとも生活を過度に制限すると別の心配が生じる。「コロナうつ」である。

 生活リズムを崩さず、適度に運動すれば、精神面の落ち込みを避けられるという。親しい人ともテレビ電話などでコミュニケーションをとり、新しい過ごし方で年末年始を楽しもう。 

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