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分散参拝

2020/12/31 6:00

 クリスマス明けから破魔矢などを手にした家族連れをよく見かけるようになった。新型コロナウイルスの感染対策で、多くの神社が密を避けるために初詣の「分散参拝」を求めている。職場近くの神社は年内の参拝を促す「幸先詣(さいさきもうで)」を呼び掛け、縁起物の配布を始めていた▲岡山市の最上稲荷は初詣の期間を1月15日から2月の立春まで延ばす。キーワードは「ゆっくり、ゆったり」。お参り期間も人との距離も余裕あるディスタンスでということなのだろう▲神社本庁によれば、初詣の時期には決まりはないという。伝統的な風習だと思われがちだが、初詣という言葉自体が使われ始めたのは明治期に入ってからだ。三が日に一斉に参拝するようになったのも鉄道など交通網が発達してから定着したそうだ▲かつては代わりの人に参拝してもらう「代参(だいさん)」や、遠く離れた場所から拝む「遥拝(ようはい)」も珍しくなかった。長距離の移動が難しかった時代には、リモートでの参拝が当たり前のことだった▲コロナ、コロナで明け暮れた1年がきょうで終わり、例年とは違う新春を迎える。コロナ禍の収束が見通せない今だからこそ、神様、仏様にはじっくり願い事を聞いてもらいたい。

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