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決別 金権政治

河井案里被告、21日判決 克行被告は春以降か【決別 金権政治】

2021/1/3 22:34

 2019年7月の参院選広島選挙区の大規模買収事件で、公選法違反罪に問われた河井案里被告(47)=参院広島=の判決が21日に言い渡される。案里被告側が渡した現金の趣旨を巡って検察、弁護側の主張が対立する中、検察側は懲役1年6月を求刑。弁護側は無罪を訴えている。一方、夫で元法相の克行被告(57)=衆院広島3区=の審理が大幅に遅れており、判決は春以降にずれ込む可能性が高い。

 20年12月15日、東京地裁であった論告求刑公判は約2時間にわたった。3人の検察官が交代しながら論告を読み上げ、案里被告側から各10万〜50万円を渡された広島県議ら5人が「現金は買収のためだった」と法廷で証言した点を強調。「議員の職を失うことにもつながりかねない自己に不利な内容。合理的で十分信用できる」と述べ、案里被告への集票を依頼するための現金だったと訴えた。

 一方、案里被告の弁護人は同月23日の最終弁論で、現金の趣旨は「県議選の当選祝いや陣中見舞いだった」などと訴え、無罪を主張。案里被告は最終意見陳述で「買収は断じてしていない。(有権者を)裏切るようなことはしていない」と述べ、あらためて自身の正当性を訴えた。

 21日の判決では、参院選公示の約3カ月前に当選祝いや陣中見舞いを名目に地方議員に現金を渡した行為が買収とみなされるか否かが焦点となる。罰金刑以上が言い渡され、刑が確定すれば案里被告は失職する。

 公判は当初、案里被告と克行被告が同じ法廷で審理されていたが、克行被告が20年9月に弁護人6人全員を解任。両被告の公判は分離され、克行被告の公判が1カ月半にわたって中断した。同11月4日に再開したものの、審理は大幅に遅れており、証人尋問を終えて被告人質問に入るのは3月以降になりそうだ。

 両被告の公判は選挙の効力や政治家の公民権に関わるため、起訴から100日以内に判決を出すよう努める「百日裁判」として審理されているが、両被告が起訴されてから半年になる。

 起訴状によると、案里被告は、克行被告と共謀して県議ら5人に計170万円を渡し、克行被告はこの5人を含む100人に計2901万円を渡したとされる。県政界を混乱の渦に巻き込んだ事件。裁判の行方に注目が集まる。

 <クリック>参院選広島選挙区 3年ごとの参院選で2議席が改選され、通常は与野党で議席を分け合う無風区だが、2019年7月の参院選では、自民党が公認した現職溝手顕正氏と新人河井案里被告、野党系の無所属現職の森本真治氏が激戦を展開。森本氏と案里被告が当選し、6選を狙った溝手氏は落選した。案里被告を応援していた自民党本部が参院選前に河井夫妻側へ計1億5千万円を提供。地元の党広島県連が支援していた溝手氏への提供額の10倍に当たり、批判を集めている。

 ▽「被買収者」政治家たちの証言、一覧も…
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  •  2019年夏の参院選で河井克行、案里夫妻が100人に計2901万円を配ったとされる買収事件では、選挙に絡んだお金のやり取りが浮き彫りとなりました。令和の時代も変わらない「金権選挙」。皆さんの地域でも耳にしたこと、目にしたことはありませんか。体験、情報、意見をぜひお寄せください。(中国新聞「決別 金権政治」取材班)

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