コラム・連載・特集

七草粥

2021/1/7 6:35

 1日は鶏、2日は狗(いぬ)、3日は羊…。古代中国には1月の初めから順に動物などをあてて、その日の天候で1年の運勢を占う風習があった。きょう7日は人の日。強い寒波に見舞われるという予報だが、どんな年になるのか▲日本に伝わり、「人日(じんじつ)の節句」として五節句の一つに。桃の節句などに比べ、なじみがないが「七草の節句」と言えば、思い浮かぶ。セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラなどの七草。粥(かゆ)に入れて食べ、無病息災を願う▲摘み取った若菜をまな板に載せ、囃子詞(はやしことば)を唱えながら、包丁の背でリズムよく音を立てて刻む。そんな風習が以前はあった。内容や作法は地域で少しずつ違ったというが、どれも心地よい節回しだったはず。けさも口ずさんで粥を煮る家庭があることだろう▲薺(なずな)打つすととんとんと母癒えよ(渡辺恭子)。おせち料理など正月のごちそう続きで、疲れた胃腸にもやさしい粥ができあがるに違いない。香りの立つ一椀(ひとわん)をすすって、体調を整えたい▲残念ながらコロナ禍はまだ続きそう。自粛や不安ですり減った心身を粥で少し休めておこう。スーパーに行けば、七草セットが手に入る。願い事でも唱えて、ストトントンと刻んでみようか。 

  • 前の記事へ
  • 次の記事へ

 あなたにおすすめの記事

天風録の最新記事
一覧