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【激震 元法相夫妻公判】渡辺広島県議が違法性否定 10万円「寄付金として」受領

2021/1/8 22:40

 2019年7月の参院選広島選挙区の大規模買収事件で、公選法違反罪に問われた元法相の河井克行被告(57)=衆院広島3区=の第25回公判が8日、東京地裁であった。検察側の証人として証言した自民党の渡辺典子広島県議(36)=広島市安佐北区=が克行被告から現金を受け取ったと認める一方、政党支部から自身の後援会への寄付だったとして買収の意図を否定した。

 これまでの公判で、現金を受け取った議員など地方政治家24人が検察側の証人として現金の趣旨を証言しているが、買収意図を明確に否定した証言は初めて。

 渡辺県議によると、参院選が約1カ月後に迫った19年5月29日、克行被告と安佐北区内の企業を訪問。克行被告が妻案里被告(47)=参院広島=への支援を求めた帰り際、克行被告の車に入るように促され「大丈夫。いつものだから」と言われ10万円を受け取った。

 渡辺県議は夏と冬の年2回、克行被告が支部長の自民党支部から各10万円を克行被告の事務所で受領。領収書を発行し、政治資金収支報告書にも載せて後援会への寄付金として処理していたといい「寄付金として受け取ればいい。買収の趣旨なら受け取らなかった」と強調した。19年5月の10万円も同年の収支報告書に記載したが、領収書は発行していなかった。

 克行被告は19年3〜8月に投票の取りまとめを依頼する趣旨で地方議員や後援会員ら計100人に計2901万円を配ったとして起訴され、公判では現金の趣旨が焦点となっている。検察によると、克行被告が作成したとされ、現金提供先とみられる議員らの名前が書かれたリストには、渡辺県議に2回にわたり計50万円を渡したとうかがわせる記載があるという。

 渡辺県議は、検察の家宅捜索を3回受けたとし「『この家で(証拠などが)出てこないときは家族の家にも入らないといけないな』と言われた」と指摘。捜査の不当性を訴えた。

 20年10月の案里被告の公判に続いて自民党の高山博州広島県議(67)=尾道市=の証人尋問もあり、19年4月に克行被告から30万円を受け取り、買収の意図を感じたと証言した。検察側は30万円を受け取ったとされる元東広島市議らの供述調書も朗読。買収目的を認めた供述が読み上げられた。

 <クリック>政治団体間の寄付金 都道府県選管などに提出する政治資金収支報告書に記載することを条件に政治資金規正法が認めている。政治家が代表を務める政党支部などを通じて資金がやりとりされることが多い。一方で公選法は、選挙で候補者を当選させるために金銭を提供する行為を禁止。政治団体間の寄付金であっても、提供時期や趣旨によっては買収罪に問われることもある。

【詳報・克行被告第25回公判】
 高山博州広島県議証言<1>選挙区が違う、もらう筋合いがない
 高山博州広島県議証言<2>克行さんの事務所に行く勇気がなかった
 渡辺典子広島県議証言<1>普段から寄付金を頂いているので不信感はない
 渡辺典子広島県議証言<2>何度言っても信じてくれず、絶望的な気持ちに
 元東広島市議供述調書 選挙違反になるので誰かにばれたらまずい…
 後援会員供述調書 雑誌に挟み込んでそのままもらった

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