【激震 元法相夫妻公判】「当選祝い」は建前、買収と認識 沖井・窪田県議、過去に受領なし
2019年7月の参院選広島選挙区の大規模買収事件で、公選法違反罪に問われた元法相の河井克行被告(57)=衆院広島3区=の第29回公判が18日、東京地裁であった。いずれも自民党の沖井純(60)=江田島市=と窪田泰久(44)=広島市南区=の両広島県議が、克行被告から同年春の県議選の当選祝いの名目で現金を渡されたと説明。以前の県議選で当選祝いをもらったことはなく、買収のための現金と感じたと証言した。
沖井県議の証言によると、無投票で5選を決めて約2週間後の19年4月13日、克行被告が江田島市内にある沖井県議の事務所を訪問。「当選おめでとうございます。お祝いです」と約50万円が入った白い封筒を差し出した。
克行被告とは関係が途絶え、過去に当選祝いをもらったこともない上、克行被告の妻案里被告(47)が参院選広島選挙区の自民党公認候補に決定していた。沖井県議は「買収目的以外考えられない」と思ったが、「強引に返すと失礼に当たる」と考え、受け取った。
その後、同党の安井裕典県議(69)=廿日市市=から「案里被告が現金を差し出してきたが、受け取らなかった」と言われ、同月18日に克行被告の広島市安佐南区の事務所で返金した。「夫婦ぐるみで悪質な買収行為をしようとしていた。いずれ発覚すると思った」と振り返った。
続いて証言した窪田県議は、無投票で4選が決まって5日後の19年4月3日に克行被告が同市南区の事務所を訪れ、「おめでとう」と30万円入りの封筒を渡されたと説明。過去に当選祝いをもらったことはなく、参院選の支援を求めるためだと思ったが、断り切れずに受け取ったと釈明した。
その日のうちに30万円を個人口座に入金。返すつもりだったため、記帳した通帳の入金記録のところに「河井事ム所」と書き入れた。同年5月29日、克行被告から30万円を受け取っていた同党の山下智之広島県議(61)=廿日市市=と一緒に克行被告の事務所に行き、返金したという。
後援会員の男性の証人尋問もあり、19年5月5日に克行被告から買収目的の10万円を受け取ったと説明。「(克行被告は)頭を下げてリセットして、次の人生を」と涙ぐんだ。
【詳報・克行被告第29回公判】
沖井純広島県議証言
沖井純広島県議証言<1>出馬表明後に来るので買収以外考えられません
沖井純広島県議証言<2>強引に返すことが克行氏に失礼と思いました
窪田泰久広島県議証言
窪田泰久広島県議証言<1>申し訳ないですが、お返しします、と返しました
窪田泰久広島県議証言<2>顔をつぶしたらいけないと思いました
後援会員証言
後援会員証言<1>ちょっとこれはやばいじゃないですか
後援会員証言<2>週刊誌でいろいろと騒がれている人間だった
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