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「ます・ます」演説

2021/1/19 6:47

 新聞記事と違い、スピーチの文体は「です・ます調」が基本であろう。その伝で言えば、きのうの菅義偉首相の施政方針演説は「ます・ます調」と呼べるかもしれない▲します・進めます・対応してまいります―。文末を「ます」で締めくくったのが全体の75%にも上っていた。逆に、前首相もしばしば使っていた「ませんか調」は聞かれずじまい。そうは思いませんか・一緒に頑張ろうではありませんか―。周囲をあおる口調はあえて封じたのか▲確かに現政権が取り組むべき喫緊の課題は山積し、「国民のために働く内閣」をアピールする好機でもあろう。だからといって、めりはりを利かせず、あれもこれもと列挙するだけでは聞く者に響いてこない▲首相就任時にあれだけ強調した「自助・共助・公助、そして絆」とのフレーズが演説から消えた。むしろ今だからこそ「公助・共助・自助」の順で、コロナ対策をじっくり語るべきでは▲桜を見る会に絡む自らの答弁を陳謝したのを除けば、政治とカネを巡る言葉もなかった。コロナ対策でも肝心なのは、まずもって政治に対する国民の信頼を取り戻すことではないか。ここは力強い「やります」を聞きたかったです。 

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