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【激震 元法相夫妻公判】案里被告、21日に東京地裁で判決 現金趣旨どう判断

2021/1/19 23:03
河井案里被告

河井案里被告

 2019年7月の参院選広島選挙区の大規模買収事件で、公選法違反罪に問われた河井案里被告(47)=参院広島=の判決が21日午後3時、東京地裁で言い渡される。案里被告側が広島県議ら5人に渡したとされる現金の趣旨が最大の争点。「買収のためだった」として懲役1年6月を求刑する検察側に対し、弁護側は「県議選の当選祝いや陣中見舞いだった」などとして無罪を主張している。地裁がどう判断するかが焦点となる。

 検察側によると、案里被告の陣営を仕切っていた夫で元法相の克行被告(57)=衆院広島3区=が事件を主導。19年3〜8月に地方議員や後援会員ら100人に計2901万円を配ったとされ、案里被告はこのうち奥原信也、岡崎哲夫、下原康充、平本徹の4県議と胡子雅信江田島市議の計5人に対し、同年3〜6月に計170万円を渡したとされる。

 公判ではこの5人が検察側の証人として出廷。現金を受け取った場面を具体的に説明し「参院選で応援してほしいのだと思った」「選挙違反の金だ」などと証言した。検察側は「自らの被買収罪という犯罪行為を認める証言で、十分に信用できる」と強調する。

 さらに検察側は物証として「現金提供リスト」を提示。「克行被告が案里被告の提供分も把握し、実績を記載したリストを作成、管理していた。両被告の共謀が成立していたことは明らか」としている。

 一方、弁護側は「案里被告が県議当時にお世話になった県議らに感謝の気持ちから、(19年春の県議選の)陣中見舞いか当選祝いとして現金を渡した。買収の意図はない」と反論。克行被告との共謀も否定する。江田島市議への現金は元公設秘書が渡しており、案里被告は関与していないと訴える。

 さらに、「買収目的」を証言した県議ら5人が被買収罪で起訴されていない点に関し、検察官との間に起訴しないという暗黙の約束に近い合意か了解があったと主張。「自らの刑事責任を逃れるために検察官に有利な虚偽証言をしたと推認され、証言の信用性は認められない」とする。

 公判は20年8月25日に始まり、29回開かれた。起訴から100日以内に判決を出すよう努める「百日裁判」として審理されたが、実際には同年7月8日の起訴から6カ月を経て判決の言い渡しとなる。罰金刑以上が確定すれば、案里被告は失職する。

 克行被告の公判は、弁護人解任の影響で中断した上、「被買収者」が100人と多いため、判決言い渡しは春以降にずれ込む公算が大きい。

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