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【激震 元法相夫妻公判】案里被告うつむき涙 判決理由に首かしげ

2021/1/21 23:14
判決を聞く河井案里被告(イラストと構成・勝山展年)

判決を聞く河井案里被告(イラストと構成・勝山展年)

 「民主主義の根幹である選挙の公正を害する犯行。刑事責任は重い」。2019年夏の参院選広島選挙区の大規模買収事件で河井案里被告(47)=参院広島=に有罪判決が言い渡された21日、案里被告に強気の表情は見られず、うつむきながら目に涙を浮かべた。発言はなく、3度にわたり裁判官に頭を下げて退廷した。

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 午後2時26分、弁護人や政策秘書とタクシーで東京地裁に入った。法廷では、黒いスーツに議員バッジを着けて弁護人の横に座り、傍聴席を眺めた。

 同じく公選法違反罪で公判中の夫の克行被告(57)=衆院広島3区=の弁護人たちが傍聴席から見守る中、午後3時に開廷すると、高橋康明裁判長に促されて証言台へ。前に手を組んで背筋を伸ばして立ち、主文の言い渡しに聞き入った。「懲役1年4月」「5年間の執行猶予」と言われるたび、うなずいた。

 主文の言い渡しが3分ほどで終わると、証言台のいすに座り、高橋裁判長が読み上げる判決理由に耳を傾けた。目を閉じて体を左右に揺らしたり、不服そうに首をかしげたり。広島県議への現金提供を「選挙買収」と認める裁判長の朗読が続くうち、案里被告は涙を浮かべ、何度もはなをすする音が法廷に響き渡った。

 一貫して無罪を訴えてきた案里被告。胡子雅信江田島市議への現金提供で「無罪」と説明され、徐々に落ち着きを取り戻した。1時間14分で判決の言い渡しが終わると、証言台で2回、弁護人の席で1回、裁判官へ頭を下げた。タクシーで地裁を出る際には報道陣にも礼をして、都内の参院議員宿舎に帰った。

 閉廷後、主任弁護人は報道陣に「非常に不満が残る判決だ」と述べ、控訴する可能性を示唆した。案里被告も同様の感想を述べたという。報道陣から辞職しない理由を問われた弁護人は「(無罪を)争っている状況で辞めますというのは政治家としていかがなものなんだろう。争っているんですから」と理解を求めた。

 一方、法廷で複雑な表情を見せたのが検察側だった。胡子市議への現金提供が無罪と読み上げられた際には、検察官の一人が頭を抱える場面も。裁判長がその理由を説明した約20分間、検察官は必死にノートにメモしていた。

 この日の判決では案里、克行両被告の共謀が認められ、克行被告による買収を認定した部分もあった。閉廷後、克行被告の弁護人は「厳しい判決だった」とつぶやいた。(河野揚、境信重)

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