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せめて早く辞めて/自身の言葉で説明を 有権者、案里被告へ厳しい批判相次ぐ

2021/1/22 10:07

 「当然の判決」「早く辞職すべきだ」。参院選広島選挙区を巡る大規模買収事件で、河井案里被告が東京地裁に有罪判決を言い渡された21日、広島県内の有権者から厳しい批判の声が相次いだ。判決では、現金を受け取った県議4人への買収を認定。「被買収者」の地方議員の責任を追及する声も上がった。

 案里被告が県議時代に地盤とした広島市安佐南区。かつて支援していた山口洋司さん(72)は「地元はずっと居心地の悪さ、複雑な思いを抱えてきた。せめて早く辞めてほしい」と語気を強めた。西区の会社員榎一馬さん(21)は「当然の判決。金権選挙を許してきた県政界が変わるきっかけに」と望んだ。

 案里被告の処遇を巡っては、今後、複数の司法手続きが進む。14日以内に検察側を含めて控訴しなければ判決が確定し、失職することになる。一方、どちらかが控訴すれば判決の確定はずれ込む。

 連座訴訟もある。参院選で車上運動員に違法報酬を払った立道浩公設第2秘書(55)の有罪判決が確定したのを受け、広島高検が当選無効を求めて広島高裁に起こした訴訟の審理が近く始まる見通しだ。検察側の勝訴が確定すれば案里被告は失職する。連座訴訟はほぼ検察側が勝訴しており、失職は濃厚とみられる。

 「控訴するのか、議員を続けるのかどうか気になる。いずれにしても有権者の疑問に自身の言葉で答え、説明責任を果たすべきだ」と求めたのは広島県安芸太田町のNPO法人職員本宮宏美さん(43)。安芸高田市の会社役員井川誠三さん(64)は「この判決を受けて議員辞職するくらいなら、案里被告はもう辞めているだろう。控訴するのではないか」と指摘した。

 夫で元法相の克行被告から現金を受け取ったとされる地方議員らも含め、被買収者に対しても批判が高まった。三原市で古民家カフェを営む部屋陽子さん(65)は「有権者の政治不信は根強い。一度辞職すべきだ」。福山市の田中光洋さん(73)は「処分しない検察側の方針は市民感覚からかけ離れている」と指摘した。

 参院選公示前、両被告側に自民党本部から1億5千万円もの資金が提供された経緯や使途は、なお明らかにされていない。「何が起きていたのか、検察は全容を明らかにしてほしい」と呉市のパート従業員福田優さん(38)。福山市の自営業菊地永史さん(46)は「自民党は説明責任を果たしていない。『政治とカネ』の根本的な問題を正さないと同じ事が繰り返される」と憤った。

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