エッセンシャルワーカーたち
2021/1/26 6:37
このコロナ禍で「不要不急」の言葉はすっかり市民権を得た。では反対語は何だろう? ネット検索すると「必要火急」「緊要」などがヒットする。だが、どれもいまひとつ、定着とは言いがたい▲英語で表すなら、この言葉となろうか。「エッセンシャル」ワーカーとは、感染者の命を預かる医療関係者をはじめ、私たちの暮らしに「なくてはならない」職種の人たちを指す。まだ耳慣れないものの、感謝の気持ちを込めて定着させたいところ▲もっとも英国では、社会の「鍵」を握る仕事という意味を込め、医療・福祉やライフラインの従事者たちを「キー」ワーカーとも呼ぶそうだ。いずれにせよ、不要不急とは対極の仕事だ▲もちろん職業に貴賤(きせん)はない。必要か不要か、緊急か不急かの線引きにしても、突き詰めればあいまいになる。ただ間違いなく言えるのは、人のため、社会のために働く人たちには、敬意を込めて接すべきだということ▲きのうから本紙で、そんなワーカー群像を紹介する連載「命守る人」を始めている。けさの紙面に登場するのは、家族や職場の仲間に支えられ、不眠に悩まされながらも、ひたすらPCR検査を続ける技師である。ご一読を。
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