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【激震 元法相夫妻公判】「溝手氏牙城狙うため」 天満前三原市長、150万円受領証言

2021/2/1 23:03

 ▽佐藤県議は買収否定

 2019年7月の参院選広島選挙区の大規模買収事件で、公選法違反罪に問われた河井克行被告(57)=衆院広島3区=の第35回公判が1日、東京地裁であり、天満祥典・前三原市長(74)が克行被告から150万円を受け取り、買収意図を感じたと証言した。三原市は、同選挙区で立候補して落選した自民党現職の溝手顕正氏の地盤で「牙城に食い込むため、力を注いだのではないか」と述べた。佐藤一直広島県議(46)=広島市中区=は30万円の受領を認める一方、買収の趣旨は否定した。

 天満氏の証言によると、克行被告の妻案里被告(47)=参院広島=が同選挙区の自民党公認候補に決定していた19年3月27日、三原市内のビルの一室で両被告と面会。参院選での支援を頼まれ、帰り際に克行被告から50万円入りの封筒を内ポケットに入れられた。「困ります」と受け取りを拒んだが、「よろしく」と言われて受け取った。

 6月2日には、広島市内であった案里被告の政治資金パーティーに出席後、克行被告らと会食。帰り際にシャツとズボンの間に100万円が入った封筒を差し込まれたという。

 現金の趣旨について天満氏は「(元三原市長である溝手氏の)牙城に少しでも食い込むためと思った。不法な金と思った」と述べた。参院選では自身が応援演説をしたほか、後援会が選挙カーを先導するなど案里被告を支援したと説明。現金は背広やネクタイ、財布の購入に充てたという。

 天満氏は、検察当局の捜査が本格化した20年3月以降、報道陣に現金の授受を繰り返し否定。6月23日に市議会でも同様の発言をしたが、2日後に一転して現金授受を認め、辞職した。

 一方、佐藤県議は克行被告から受け取った30万円の買収意図を否定した。

 証言によると、克行被告の要請に応じ、参院選公示の約2週間前の19年6月17日に広島市中区の案里被告の事務所を訪問。克行被告から案里被告のポスターなどが入った紙袋を渡された後、30万円入りの封筒を差し出された。受け取りを断ったが、「当選祝い」と言われて受領した。選挙中は案里被告の演説会で応援弁士を務めたこともあった。

 佐藤県議は「紙袋(の中身)を配る活動のお礼、対価と思った」と述べた一方、「選挙違反になるとは思っていなかった。寄付と思った」と強調した。30万円は財布に入れて使い切り、検察の任意聴取を受けた後の20年4月に東京の克行被告の事務所に現金書留で同額を送ったという。

【詳報・克行被告第35回公判】

<天満祥典・前三原市長証言>
<1>「応援を取りやめてくれんかな」と電話がありました
<2>違法なお金なので(領収書は)発行しませんでした
<3>押し問答をしましたが、恥をかかすので従いました
<4>克行さんから「食事を用意しています」

<佐藤一直広島県議証言>
<1>県や知事に是々非々の立場で尊敬していました
<2>合法的なお金の一種と思っていました
<3>供述調書を変えたいという思いがずっとあって
<4>案里さんはキューピッド役。手伝わないとバチが当たると

<後援会員供述調書>
「案里さんは無理」と言うと、むっとしていました

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