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【激震 元法相夫妻公判】受領30万円使用と供述 尾道市議、議会には「返した」

2021/2/3 23:15

 2019年7月の参院選広島選挙区の大規模買収事件で、公選法違反罪に問われた元法相の河井克行被告(57)=衆院広島3区=の第36回公判が3日、東京地裁であった。検察側は、克行被告から30万円を受け取ったとされる杉原孝一郎尾道市議(78)らの供述調書を朗読。現金の趣旨を買収目的と認め、食事代などに使ったと供述していたことを明らかにした。

 杉原市議はこれまで市議会や中国新聞の取材に対し「克行被告に現金を置いて帰られたことに後から気付き、3日後に送り返した」と説明していた。供述調書との食い違いについて杉原市議は3日の取材に「裁判が結審するまで話はできない。現金を返したことは間違いない。恥じることはない」と話した。

 供述調書によると、克行被告は妻の案里被告(47)が出た参院選の公示翌日の19年7月5日、杉原市議の自宅を訪問。選挙応援への感謝を述べた後、「これを」と封筒を机の上に置き、杉原市議と押し問答の末に置いて帰った。封筒には30万円が入っており、杉原市議は参院選後に自己資金と一緒にして食事代などで使った。その後、別の30万円を現金書留で克行被告に送ったが、戻ってきたという。

 杉原市議は「選挙の見返りに現金をもらうことは違法なので『余計なことをしおって』という気持ちだった。嫌なものをもらったなと思った」と供述。推薦はがきを書き、当時の安倍晋三前首相の秘書と一緒に企業訪問をするなど案里被告を応援したという。

 続いて検察側は繁政秀子・元広島県府中町議(78)の供述調書を朗読。それによると、案里被告の後援会長だった繁政元町議は同年5月14日、広島市中区で克行被告から30万円入りの封筒を差し出された。断ると、克行被告は「いいから。安倍さんからじゃけえ」と小声で前首相の名前を挙げながら受領を促したという。

 繁政元町議は「(党の)トップが配るのは聞いたことがなく、スケールの大きさに動揺した。押し問答も嫌だったので受け取った」などと供述。現金の一部を銀行に預け、残りは使ったという。現金の受領が発覚した後の20年6月29日に町議を辞職している。

 検察側は、5万〜30万円を渡されたとされる後援会員ら9人の調書も朗読。全員が買収目的の現金と認めていた。うち1人は12年以降の過去3回の衆院選の前後に5万〜10万円を受け取っていたと供述していた。

【関連記事】
杉原尾道市議の資質を問う声相次ぐ 現金説明、供述調書と議会で食い違い

【詳報・克行被告第36回公判】
<杉原孝一郎尾道市議供述調書>
自己資金と一緒にしてもろもろの支払いに使いました
<繁政秀子・元広島県府中町議>
「安倍さんからじゃけえ」と言われて、びっくりしました
<後援会員ら供述調書>
<1>過去にももらっていたので、罪悪感は薄れていた
<2>18年の水害の際に恩義を感じていました
<3>ありがたいと思って、断っては失礼と思いました
<4>罪悪感が強まり、誰にも言えないと思いました
<5>ねじこまれる渡し方なので、選挙違反の悪い金と分かりました

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  • 杉原孝一郎尾道市議
  • 繁政秀子元府中町議

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