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決別 金権政治

<解説>語らぬ姿勢、誠実さ欠く【決別 金権政治】

2021/2/3 23:33

 この辞職にどれだけの有権者が納得したのか。一連の公選法違反疑惑が表面化して1年3カ月。この間、河井案里被告は説明責任を果たさず、辞職願を提出した3日も姿を見せなかった。参院選で破格の資金を投入し、案里被告を全面支援した自民党本部も含め、政治不信に誠実に向き合う姿勢が欠けている。

 この日は秘書が参院事務局に辞職願を提出し、事務所がコメントを発表。本人が説明できない理由として、夫の克行被告の公判が継続していることを挙げた。無罪を主張する克行被告への影響を懸念し、説明できない点があるとしても、参院選でどんなことが起きていたのか、語れることも多くあるはずだ。言い訳にしか感じず、有権者の理解は得られない。

 両被告の公判では、現金を受け取ったとされる地方議員や後援会員らが連日尋問に臨み、「金権選挙」の実態が浮かび上がっている。両被告が「安倍さんから」「二階さんから」などと当時の首相や党幹事長の名前を出して金を渡すこともあったという。一方で、自民党本部が提供した1億5千万円の使途については解明されていない。

 国民からは「買収の資金に使われたのでは」と疑念の目が向けられており、自民党に説明が求められるが、党総裁の菅義偉首相は人ごとのようなコメントばかりで当事者としての意識は伝わってこない。安倍政権当時の森友学園問題や加計学園問題と同様に、説明責任を軽視する姿勢が目立つ。

 案里被告の辞職に伴う補選が4月にある。案里被告はもちろん、菅政権も説明責任を果たした上で審判を受けるべきだ。有権者も厳しい目でその取り組みを見つめよう。(「決別 金権政治」取材班)

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