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決別 金権政治

案里被告辞職、与党の防戦必至 参院広島補選、4月25日投開票へ短期決戦

2021/2/4 10:28

 2019年7月の参院選広島選挙区を巡る大規模買収事件で東京地裁から有罪判決を受けた河井案里被告(47)が参院議員を辞職した3日、与野党の広島県組織の幹部たちは4月25日投開票の補選に向けて走り始めた。議席維持へ防戦必至の与党に対し、野党は辞職の遅さや「政治とカネ」の問題を追及して攻勢を強めたい考えだ。新型コロナウイルス禍の中、異例ずくめの短期決戦が幕を開けた。

【動画】案里被告 政治家としての歩み

 「地元の有権者にまともな説明をしないまま辞職したのは残念だ」。自民党県連の宇田伸幹事長は、昨年6月の離党直前まで所属していた案里被告の辞職を神妙に受け止めた。党や党県連への厳しい批判を覚悟しているという。

 補選については「県連として早急に態勢を整え、党の信頼回復につながるようしっかり準備する」と切り替えた。8日に広島市中区で党県連の選挙対策委員会を急きょ開き、候補者の選考方法を詰める。宮沢洋一会長(参院広島)が昨年11月末に示唆した公募は「間に合わない」と否定した。

 国政選挙で自民党と協力を重ねてきた連立与党の公明党。党県本部の田川寿一代表は、19年の参院選では友党に所属し、党として推薦した案里被告の辞職について「当然だ。むしろ遅いくらいだ」と言い切った。

 大規模買収事件で公判中の河井克行被告(57)が地盤とする衆院広島3区では、年内にある次回選の「与党代表」を巡って自民党との駆け引きを繰り広げた。ただ、参院広島選挙区補選については「与党の枠組みを大事に考えている」として自民党との選挙協力に前向きな姿勢を示した。

 野党は案里被告の辞職を「遅すぎる」と断じ、自民党の対応にも矛先を向けた。「遅きに失した。今やめるぐらいなら、もっと早くやめていれば良かった」と突き放したのは、立憲民主党広島県連の福知基弘幹事長。自民党が参院選前に案里被告側へ提供した1億5千万円の問題を含めて、依然として説明責任が果たされていないと非難した。

 党県連は、最大野党として補選で候補者を擁立するための準備を加速させる。近く役員会をインターネットで開き、選考方法を含めて協議する。公募については、福知幹事長は否定的な見方を示した。

 野党は19年の参院選で、改選1議席を争う各地の選挙区で共闘した経緯がある。共産党県委員会の村上昭二委員長は「菅政権で初の国政選挙で、金権腐敗政治をどう正すかが問われる。野党統一候補で勝てるよう最大限努力する」。社民党県連合の檀上正光代表は「独自の候補擁立は難しいが、野党統一で立てられるよう議論しなければならない」と意気込んだ。

 日本維新の会は、立憲民主党を軸とした野党共闘とは距離を置く。県支部に当たる広島維新の会の空本誠喜幹事長は「党が埋没しないよう、誰かを出さなければならない」と強調。案里被告の辞職については「控訴期限を間近に控えた辞職は失職と変わらず、自ら辞めた潔さはない」とした。(赤江裕紀、畑山尚史、樋口浩二)

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  •  2019年夏の参院選で河井克行、案里夫妻が100人に計2901万円を配ったとされる買収事件では、選挙に絡んだお金のやり取りが浮き彫りとなりました。令和の時代も変わらない「金権選挙」。皆さんの地域でも耳にしたこと、目にしたことはありませんか。体験、情報、意見をぜひお寄せください。(中国新聞「決別 金権政治」取材班)

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