コラム・連載・特集

くしゃみ考

2021/2/6 6:00

 俳都を名乗る松山市の投句サイトに、夏井いつきさんが「嚔(くしゃみ)」のお題で句を選んでいる。〈鼻の奥嚔の玉が今割れる〉。むずむずが膨らんで、パチン。そんな季節が近い。来週後半、広島地方でスギ花粉が飛び始めるらしい▲目をこする。鼻をかむ。何げない動作が新型コロナの感染リスクを高める。中でもくしゃみは、無症状の感染者が「ハックション」とやれば、マスク着用時でもウイルスが飛びかねない▲かと言って辺りをはばかり、鼻をつまんだり口をふさいだりして無理にこらえるのは禁物だという。血圧が跳ね上がるからだ。のみ込むように〈嚔の玉〉を割ると、あちこちの血管や気道に害を及ぼしかねない▲弱り目にたたり目と嘆くことなく、コロナ禍も花粉症も何とか乗り切りたい。製薬会社の調査では、他人のくしゃみはマスクをしていても気になると7割が答えている。くしゃみの時は、うつむくといった一段の気配りが要る。と同時に、「お大事に」という周りの目や声掛けも▲小欄も、書き写す皆さんへの気配りを忘れるわけにいかない。「嚔」という難字の書き方である。口偏に「十」、ワ冠(かんむり)に「田」「ム」と重ねて、「足」の下半分を書く。 

  • 前の記事へ
  • 次の記事へ

 あなたにおすすめの記事

天風録の最新記事
一覧