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五輪の灯

2021/2/12 6:00

 栄えある役目だけに本人も残念だろう。将棋の藤井聡太二冠が聖火ランナーを辞退した。地元の愛知県瀬戸市を走るはずだった。先日もタレントが辞退している。とはいえ藤井二冠は多忙が理由で、あの人の発言とは無関係という▲東京五輪組織委員会の「王将」は詰んだも同然だった。女性蔑視発言の森喜朗会長である。発言後、すぐ謝罪会見を開いた。最善の一手のはずだが、逆切れぶりで「炎上」を招いてしまう。ついに辞意を固めたようだ▲撤回して謝罪したのだから―。組織委や国際オリンピック委員会(IOC)は当初、幕引きを急ぐ。政府も歩調を合わせた。しかし五輪の理念にも反した発言である。批判は国内外で日に日に燃えさかった▲ボランティアを辞退する人も続々と。「辞めるなら新たに募る」。そう述べて自民党の二階俊博幹事長は森氏を援護したつもりだったか。だが代わりはいくらでもいる―とも取れる言葉である。逆に、火に油を注いだ▲「おわびと、後のお願いをしたい」という森氏。開幕まで半年を切って、組織委トップがバトンタッチする。体制の立て直しへ後任には猛ダッシュが求められる。聖火は予定通り走りだせるだろうか。

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