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「神明さん」の変わらぬ風景

2021/2/13 6:39

 風物詩や年中行事をろくろく味わえないまま、季節が一巡りしてしまった。備後路に春の到来を告げる「三原神明市」も中止に。本紙広場欄にきのう、残念がる声が寄せられていた▲「神明さん」以外にも、三原市内には四季を彩る祭りがある。築城の祝いに端を発するお盆の「三原やっさ祭り」、真冬に無病息災を願う「はだか祭り」。コロナ禍でどれも取りやめになった。いつまでたっても幕の開かぬ劇場にいる気分だろうか▲「新たな日常」という旗の下で、世の中が様変わりしつつある。働き方改革にデジタル化、集客イベントの見直し。政府まで躍起となり、生活様式が一気に塗り変わりそうな勢いである▲「ライフ」の意味合いがコロナ禍で、「命」を守ることにグッと傾いた感が強い。やはり訳語でもあるはずの「生活」や「人生」は少々、脇に追いやられている。変わってしまってはいけないものまで変わっていないか―。冒頭の投稿は、そんな飽き足りなさのほとばしりに映る▲JR三原駅北口や三原城近くの道端や民家の脇に所々、だるまを載せた小さな台が見える。露店の行列に隠れていたのか、今まで気付かなかった。変わらぬ風景にほっとする。 

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