克行被告元秘書に有罪判決 広島地裁、懲役1年6月・猶予5年
2021/2/16 15:36
衆院議員の河井克行被告(57)=公選法違反罪で公判中=の妻案里元参院議員(47)=有罪確定=が初当選した2019年7月の参院選広島選挙区で、法定上限の2倍の報酬を車上運動員に支払ったとして同法違反(買収)の罪に問われた克行被告の元政策秘書高谷真介被告(44)=東京都葛飾区=に対し、広島地裁は16日、懲役1年6月、執行猶予5年(求刑懲役1年6月)を言い渡した。
杉本正則裁判長は、克行被告が選対本部のあらゆる業務の決定権限を握っており、車上運動員の報酬額の権限もあったと推認できると指摘。「事務所内の立場や克行被告との関係性を踏まえると、金額を克行被告に確認できたのは高谷被告以外にいない」とした上で、高谷被告が克行被告に報酬額を確認して関係者に伝えたと認定し「犯行実現の主要な過程に関与した」と述べた。
遊説担当の責任者だった案里氏の元公設第2秘書立道浩氏(55)=有罪確定=らとの共謀も認め「選挙の公正を大きく害した。領収書を2枚に分ける偽装工作まで行われ、違法の程度は大きい」と非難。報酬額の決定などに関与していないと訴えた弁護側の無罪主張を退けた。判決後、高谷被告の弁護人は報道陣の取材に応じず、地裁を後にした。
判決によると高谷被告は政策秘書だった19年7月19〜23日、立道氏らと共謀し、車上運動員14人に法定上限の2倍の1日3万円の報酬計204万円を渡した。
案里氏は同選挙区を巡る大規模買収事件で公選法違反罪に問われ、今月3日に議員辞職。懲役1年4月、執行猶予5年の東京地裁判決が5日に確定した。
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