克行被告から口止め 愛知県稲沢市議、報酬の違法性認める【激震 河井元法相公判】
2019年7月の参院選広島選挙区の大規模買収事件で公選法違反罪に問われた元法相の河井克行被告(57)=衆院広島3区=の第41回公判が17日、東京地裁であった。妻の案里元参院議員(47)=有罪確定=の陣営の事務局長を務め、96万円を受け取ったとされる愛知県稲沢市の野々部尚昭市議(50)が検察側の証人として出廷。克行被告から口止めをされたと証言した。
克行被告は19年10月末、案里氏の陣営が車上運動員に法定上限を超える報酬を払った疑惑が報道され、法相を辞任した。野々部市議によると、同年12月6日に藤田一公設第1秘書を通じて東京都内の議員宿舎に呼び出され、克行被告から「取り調べを受けたり、マスコミに追いかけ回されたりしても、何も話さないでくれ」と頼まれた。案里氏も同席していたという。
野々部市議は広島修道大卒で、大学時代の友人の藤田秘書に頼まれ、案里氏の陣営に参加。同年6月16日ごろに広島市中区の事務所で克行被告から「急に来て物入りだろうから」と10万円が入った白封筒を差し出された。いったんは断ったが、「給料の前払い」と言われて受領。参院選前後の同28日と7月31日には案里氏の事務所から給料として各38万3490円、8月1日にも追加で10万円が自身の口座に振り込まれた。
克行被告に口止めされていたため、20年2月の検察の任意聴取では、報酬の違法性を否定したが、克行被告が地方議員らに現金を配ったとされる大規模買収事件が報道されて以降は方針を転換。自身が受け取ったお金の違法性を認めたという。
野々部市議は「さすがに問題と思い、すべてを話した」と説明。「給料として支払われたのは違法性を隠すためと思った」と証言した。スタッフの食事代や自身の生活費に使ったという。
選挙期間中、違法なポスターを剥がすよう広島県警から注意された際に克行被告から「ゆっくりゆっくり1枚ずつ剥がせばいい」と言われたとも語った。
【詳報・克行被告第41回公判】
野々部尚昭・愛知県稲沢市議証言<1>初めは断ったが、「とりあえず行くよと」
野々部尚昭・愛知県稲沢市議証言<2>公明党のカードを溝手さんより1枚でも多く
野々部尚昭・愛知県稲沢市議証言<3>お金に縛られ無理難題飲まないといけなくなる
野々部尚昭・愛知県稲沢市議証言<4>源泉徴収されれば違法だが処罰ないと思った
野々部尚昭・愛知県稲沢市議証言<5>スタッフは恐怖におびえていました
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