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【ヒロシマの空白】理研の遺骨、再び遺族判明 2人目は「伊勢岡」さん

2021/2/22 22:50

 広島市は22日、理化学研究所(理研、本部・埼玉県和光市)から昨年引き渡された原爆犠牲者の遺骨のうち、名字を確認していた「伊勢岡」さんの遺族が判明したと発表した。遺族の意向で名前などは公表していない。引き渡された遺骨で名字や名前が分かっている4人のうち、身元が判明したのは2人目。

 理研から引き渡しがあった昨年11月に申し出があり、市は面談や資料を調査した上で遺族と断定した。遺族の意向で、遺骨は平和記念公園(中区)にある原爆供養塔に永久安置する。同供養塔に眠る遺骨は「約7万体」とされ、今回の「伊勢岡」さんを含め遺族が判明したのは1622人となった。

 遺骨は、米軍の原爆投下直後に調査のため広島入りした当時の理研の仁科芳雄博士(1890〜1951年、岡山県里庄町出身)の関連資料から見つかった。

 何人分の遺骨かは不明だが、封筒やメモ書きから4人の名字などを確認。うち「道原菊馬」さんは、漢字が1字違いの道原菊間さん=吉和村(現廿日市市)出身=の遺骨と結論付け、同市の遺族に返還している。

 4人の名字を、当時の調査記録を収めた「広島県史」(72年発行)と照合したところ、陸軍省の調査班による「原子爆弾症ニヨル死者ノ骨灰」の放射能測定の一覧表に、伊勢岡さんを含む3人と同じ名字があった。市は、遺族の証言などから同一人物と判断した。

 残る2人は「キの内藤四郎」さんと、名字だけ確認できた「里井」さん。市は、名字と名前の両方が分かりながら引き取られていない815人分の名簿を公開し、遺族を捜している。市調査課Tel082(504)2191。(久保田剛)

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