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国道183号目立つわだち、なぜ 「ハンドル取られ事故につながりそう」【こちら編集局です】

2021/2/26 20:50
わだちが目立つ国道183号の路面=26日、広島市中区寺町(画像の一部を修整しています)

わだちが目立つ国道183号の路面=26日、広島市中区寺町(画像の一部を修整しています)

 広島市中心部を走る国道183号のアスファルト路面に、車両の通行に伴うわだちが目立っている。付近住民から「バイクがハンドルを取られ、事故につながりそう」との声が編集局に寄せられた。この一帯では、市中心部の他の場所より路面のへこみが深いように見える。どうして目立つのか、なぜ修繕されないのか調べてみた。

 ▽大型車のチェーン一因 深さ最大4センチで修繕検討

 中区大手町を起点に県北部の三次市方面へ向かう国道183号。中区十日市地区や西区横川・三篠地区を通る国道を巡ると、いくつものわだちを確認できる。雨が降った26日、わだちには水がたまっていた。

 わだちができる要因の一つは冬場、車に装着するタイヤチェーンだ。温暖な平野部と雪の多い山間部が近い広島県。国道183号は、人口が県内最大で南部にある広島市と県北部をつなぐ大動脈の一つだ。広島市中心部では、チェーンを付けた路線バスやトラックの往来が集中する。わだちができやすいのは、そうした地理的な事情がある。

 広島市内のバス会社4社に尋ねると、いずれもチェーンの影響を認めた。チェーンは金属製で、タイヤ1本分の重さは約10キロ。県北部で積雪が予想される日には、市中心部が晴れていても装着する。県北部で雪が降った18日の午前中も、乾いた市街地の道路を、チェーンを付けたバスが走っていた。

 路面状況に合わせ、市郊外のバスターミナルなどでチェーンを着脱すればいいのでは―。各社にそう提案すると「現実的ではない」と口をそろえる。着脱作業は数人がかり。突然の降雪もある。安全を最優先するには運行中の着脱は難しいという。各社は路面への悪影響を認識しつつ、対応に頭を悩ませていた。

 国から国道183号の管理を移された市も、傷ついた路面を放置しているわけではなかった。記者がわだちを確認した西区の現場を管轄する区維持管理課に尋ねると、2018、19年度に補修したばかりだった。

 市道路課によると、幹線道路の舗装の修繕は国の基準を基にした市のマニュアルで判断。わだちの場合、深さが最大4センチになると修繕を検討する。「市民の要望や日頃のパトロール、路面の老朽化などを踏まえて優先度を決め、計画的に管理している」。市中心部の国道183号は緊急的に直す状況ではないという。

 道路にできるわだちは、各地でも問題になってきた。セメントを混合する新たな舗装方法を国が開発するなど、耐久性を高める対策が重ねられてきた。

 国道183号でも耐久性の高い舗装ができないのか。中国地方整備局に尋ねると「難しいだろう」との回答。交通量が多い幹線道路は将来的に拡張や改良するケースが多いため、アスファルトでその都度修復するのが主流という。

 さまざまな要因が重なり、道路にわだちができるのを抜本的に防ぐことは難しいようだ。しかし、路面状況の不備で重大事故が起きれば当事者はもちろん、社会に与える影響も大きい。現状の対策が最善か、関係機関は常に問い続けてほしい。住民側も、自治体へ対策を働き掛ける意識を持つことが安全への一歩になる。(木原由維)

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