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ことわざに学ぶ3月

2021/3/4 6:36

 「一に辛抱、二に我慢…」というふうな数え歌では、決まって「三、四がなくて…」と端折(はしょ)る。何でだろう。野球なら、3番、4番と看板打者が出てくる。さあ、これからというところなのに▲暦の上では侮りがたい。3月、4月は年度替わり、とりわけ今月は会社の決算月でもある。心を引き締めてかかるのが世間の相場のはず。ところがどっこい、みずほ銀行が大規模なシステム障害を引き起こした。懲りないのか、これで3度目という▲今回は、全国に張り巡らせたATMの8割が止まった。キャッシュカードや通帳がのみ込まれ、客が足止めを食った事例は5千件を超す。お粗末な善後策だった。金融庁から、時ならぬ雷が落ちたのもうなずけよう▲「二度あることは三度ある」とは、うまいことをいったものだ。先人の知恵は侮れない。さて、金融庁という「仏の顔も三度」といくかどうか―と、人ごとのように言うのは禁物だろう。「人のふり見てわがふり直せ」で、用心や自省の出番である▲春まだ浅く、コロナ禍がなお去りやらぬ3月。心がすかっと晴れない日々が続くものの、今は「辛抱、我慢」の数え歌しかあるまい。気を抜かず、参るとしましょう。

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