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福山琴、いぶくろ聖志さんとの縁で「たる募金」【備後を誇る コロナ禍を越えて】第2部 営み紡いで<1>【動画】

2021/3/8 21:17
しゃく熱のこてをキリに押し当てる三島屋の職人。炎とともに木目が浮かび上がる(撮影・井上貴博)

しゃく熱のこてをキリに押し当てる三島屋の職人。炎とともに木目が浮かび上がる(撮影・井上貴博)

 千度近くまで熱した赤いこてをキリの表面に押し当てる。炎が上がり、木目が浮かび上がる。福山琴の品質を左右する「焼き」の工程だ。福山市瀬戸町の三島屋楽器店福山工場。中嶋和輝工場長(46)は「二つとして同じ木はない。職人の経験と技がなければ良い琴はできない」と胸を張る。

 備後地方で唯一、国の伝統的工芸品に指定されている福山琴。福山工場は昨年1月に稼働したばかりだ。同市津之郷町の旧工場が2016年6月の大雨、18年7月の西日本豪雨と水害に遭い、移転。そして今度は新型コロナウイルス禍に見舞われている。

 全国的に琴の演奏会や稽古の中止が相次ぎ、受注にも影響が出ている。市内で琴を生産するのは6社と、1980年代の14社から半分以下になった。コロナ禍前から琴を習う人は減り続け、職人の高齢化も進む。中嶋工場長は「じっと耐えるしかない」と腕を組む。

 福山は日本屈指の琴の産地。木工技術に加え、童謡作詞家の葛原しげるの祖父勾当(こうとう)=1812〜82年=たち優れた琴奏者の活躍もあってピーク時の生産は全国の約7割を占めた。部品点数が多く、装飾が鮮やかなのは福山琴の特徴だ。

 ▽いぶくろ聖志さんとの縁がきっかけで…
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