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東日本大震災10年、私たちの暮らしは… 「変わった」52%/「変わっていない」47%【こちら編集局です】

2021/3/9 23:05

 東日本大震災は11日で発生から10年を迎える。地震、津波、そして原発事故をもたらした未曽有の災害の直後、暮らしを見つめ直す動きが広がった。その後、私たちの暮らしは結局変わったのか。編集局が6〜8日に無料通信アプリLINE(ライン)でつながる読者にアンケートしたところ、「変わった」が52.6%(164人)、「変わっていない」は47.4%(148人)とほぼ半々に割れた。

 ■「変わった」 防災・エネルギーに関心

 「インスタント食品を備蓄した」「2階の寝室に避難用の靴を置いた」…。身近なところで災害への備えを変えた、との声が多数届いた。広島市佐伯区のパート女性(44)は「防災用品を玄関に置くようになった。1年ごとに内容を見直している」。避難ルートの確認など、家族で災害時の約束事を決めた人もいた。

 福島第1原発事故を受け、エネルギーの在り方を見つめ直した人も目立った。尾道市の無職女性(73)は「水や火、電気など、日常のあらゆるものが当たり前ではない」。広島県安芸太田町のパート女性(51)は「電気は小まめに消し、夏は冷房を使う時間を減らす」と返答した。自宅に太陽光発電を導入したという声も複数寄せられた。

 災害時に地域の住民同士が手を差し伸べ合う重要性もクローズアップされた。東広島市の会社員男性(51)は「消防団に入った」、福山市の介護職員男性(53)も「防災リーダーの資格を取得した」という。中区の契約社員女性(47)は「災害に備えることは、支え合う地域づくりでもある」と強調した。

 ■「変わっていない」 生活様式の変更難しく

 災害の恐ろしさを実感しながらも、被災地と距離があることなどから、暮らしそのものに変化はないと答えた人も多かった。「当事者意識は低い。防災対策をしないといけないと思いながら日々が流れる」と答えたのは広島市西区の会社員男性(62)。佐伯区の会社員男性(66)は「幸い仕事にも家庭にも影響がなかった。津波の怖さは認識したが、生活は災害前と変わっていない」と打ち明けた。

 この10年でも、暮らしを快適・便利にする技術革新は進んだ。中区の会社役員男性(61)は「電気の大量消費やライフスタイルを変えることがとても難しく思える」。東区の団体職員女性(35)は災害直後、節電などを心掛けたものの「いつの間にか元の生活に戻っていた」と振り返る。

 「結局、防犯グッズは10年間使っていない。備えへの意識が薄らいでいるのは確か」。安佐南区の会社員女性(45)は率直な思いをつづった上で、「3・11」を思い返す意義をこう指摘した。「だからこそ、報道などで震災に触れるたびに気持ちを10年前に戻さなくてはいけない」(山崎雄一)

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