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疑惑のまな板の鯉が…

2021/3/13 7:05

 示し合わせているのだろうか。NTT接待疑惑で名前の浮かんだ歴代総務相ら政治家が何やら、判で押したように予防線を張っていた。「国民の疑念を招くような会食や会合に応じたことはない」▲何のことはない。疑念の2字を疑惑と入れ替えれば、大臣規範の一節をなぞっただけ。ここが防御ラインと踏んだと見える。事実を問い詰める相手に真正面から答えず、はぐらかす「ご飯論法」を思わせる。否、こちらは新手の「会食論法」だろう▲黒白をつけるのは、まだ今からである。疑惑のまな板に載せられた格好の「鯉(こい)」が、とやかく言う幕ではあるまい▲肝心の検証委員会は、忖度(そんたく)抜きの独立色が骨抜きとなる気配もある。検証委トップの座には驚くことに、新谷正義総務副大臣が就くと目されていた。本人の会食こそコロナ禍で流れたものの、右腕の公設秘書がNTT側から接待を受けていたと聞く。さながら、まな板の上の鯉が包丁を握るようなものでないか▲総務省幹部の違法接待が明るみに出た時に、どうして誰も名乗り出なかったのだろう。いっそ閣僚は、新聞各紙やNHKの報じる首相動静に倣い、会食の相手や話題を自ら洗いざらい公にすればいい。

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