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健在のカセットテープ

2021/3/14 6:35

 エアチェックというと今なら空気中のコロナウイルスを検査することと思われるかもしれない。でも50代以上なら、懐かしく思う人も多いはず。FM放送で好きな歌手の曲が流れるのを待ち、カセットテープに録音する―。熱中したものだ▲欲しいレコードもお小遣いではそうそう買えない。ラジオから簡単に録音できるカセットテープが重宝した。エアチェックに励み、お気に入りの一本を作って楽しんだ。聴き飽きたら、また別の曲を重ねて録音できた▲そのカセットテープの生みの親ルー・オッテンス氏が亡くなった。訃報で初めて名前を知ったが、わが青春時代を豊かにしてくれた発明に感謝したい。同じ思いの人は世界中にいるだろう。1千億本が売れたというのだから▲今や音楽はインターネットでダウンロードが主流。音質もはるかに良い。それでもカセットが静かなブームらしい。語学やカラオケに使え、柔らかな音を好む若者もいる。テープもラジカセも電器店にまだ並んでいる▲先日、物置から出てきた古いテープ。知人にデジタル化してもらうと家族の懐かしい声がよみがえった。昔の一本はタイムカプセルでもある。家の中をチェックしてみようか。

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