広島県政界に広がる波紋 克行被告の議員辞職意向
2019年7月の参院選広島選挙区を巡る大規模買収事件で公選法違反罪に問われた衆院議員の河井克行被告(58)=広島3区=が議員辞職する意向を周囲に伝えたのを受け、19日、広島県政界に波紋が広がった。参院広島選挙区の再選挙(4月8日告示、25日投開票)と同日での衆院広島3区補選がなくなり、今月23日から東京地裁である被告人質問を控えた時期だけに、真相を探る臆測が飛び交った。
▽真相探る臆測飛び交う
19日、広島市中区のホテルの高層階の一室に、自民党県連の役員と選対委員がひそかに集まっていた。党本部の山口泰明選対委員長の広島入りに合わせて、急きょ会合がセットされた。
山口氏は克行被告と当選同期で、保釈後に連絡を取ったという間柄。複数の出席者によると、会合では再選挙での党公認候補者の支援を訴えた。党県連副会長で広島市議会の山田春男議長から克行被告の議員辞職について問われると「聞いてない」と答えたという。終了後の報道各社の取材にも「全く知らない」と繰り返し、車に乗り込んだ。
参院広島選挙区の再選挙は、19年に自民党から初当選し、公選法違反罪で有罪が確定した案里元参院議員の当選無効に伴う。党県連にとって厳しい戦いとなるだけに、克行被告の辞職情報と山口氏の来援を関連付けて「再選挙で戦いやすくするため、党本部が克行被告にけじめをつけさせたのでは」との見方が、党県連内には一定にある。
やはりこのタイミングで辞職した場合に胸をなで下ろす形となるのが、連立与党を組む公明党だ。次の衆院選広島3区を巡って、公明党が「与党代表」として公認候補を立て、自民党が推薦するとの正式合意を今月1日に結んでいる。
公選法の規定で、克行被告が15日までに辞職した場合、広島3区の補選は、再選挙と同じ4月25日投開票の日程で実施されていた。「4月に補選があれば、準備が間に合わなかった」と公明党県本部の幹部。現在の衆院議員の任期は10月21日で満了となるため、補選はなくなった。
克行被告は公判で一貫して無罪を主張している。「任期満了まで居座るつもりではなかったのか」(県議の一人)のように、辞意情報そのものをいぶかる声もある。最大のヤマ場である今月23日からの被告人質問で克行被告が何を訴えるか。注目度は増しそうだ。(河野揚、長久豪佑)
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