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他山の石

2021/3/24 6:36

 良心に照らし、やましい政治行動をしたことはない―。逮捕直前、そう強調していたのは何だったのだろう。参院選での公選法違反罪で公判中の河井克行元法相。きのう始まった被告人質問で従来の無罪の主張を一転させ、買収を認めた▲けじめのつもりか、衆院議員を辞職するとも述べた。「当然」との声が与党からも出る中、聞き捨てならぬ言葉が自民党の二階俊博幹事長から飛び出した。「他山の石としてしっかり対応していく」。離党したら、もう他人だとでも言うのだろうか▲本来、よその山から出た石でも自分の宝石を磨くのに役立つというのが他山の石。買収事件の時は自民党の現職で、その後、大臣にまで登用したのだから、よそではなく自分の山では? そう批判されても仕方なかろう▲党本部は、この選挙で元法相の妻の陣営に1億5千万円もの金をつぎ込んでいた。落選した当時の現職に渡した額の10倍である。しかもその大半は税金とくれば党も責任は免れられない▲元法相も自民党も、金の流れを明らかにしない限り責任は果たせまい。けじめをつけることにもならない。もちろん金を受け取ったのに、居座り続けている地方議員も同じである。

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