コラム・連載・特集

コロナ感染再拡大 まん延防止、何ができる

2021/4/1 6:44

 新型コロナウイルス対策で、首都圏の4都県に出されていた緊急事態宣言が解除されて1週間余り。懸念されていたリバウンド(感染再拡大)が、現実のものになってきた。

 一足早く解除された関西圏に加え、東北や沖縄など地方にも及んでいる。感染を抑え込む決め手を欠いたまま宣言を解除し、医療体制や検査を拡充する有効な施策も打てなかった政府の責任は重い。

 しかも、解除後とはいえ23人もの厚生労働省職員が東京・銀座の飲食店で深夜まで会食していた。事業者や国民に我慢を強いているのに、言語道断である。政権がいかに緩んでいるか、その証しではないか。

 「もう言い訳はたくさん」。国民の声を政府は受け止め、まずは自らの振る舞いを反省すべきである。その上で各地の知事や自治体と協力し、リバウンドを防ぐため何ができるか、知恵を絞らなければならない。

 再拡大の最も深刻な大阪府ではきのう、新規感染者数が東京を上回り、600人に迫った。医療逼迫(ひっぱく)の懸念が増す中、府は特別措置法に基づく「まん延防止等重点措置」を大阪市に適用するよう、政府に要請した。政府は、早ければ今日にも適用を決めるという。

 まん延防止等重点措置は、2月の特措法改正で新設された。緊急事態宣言を出す前でも、強制力ある対策を素早く局地的に講じられ、感染拡大を防ぐのに一定の効果が期待されている。ただ実際の効果は未知数だ。適用を求める自治体が今後増えるかどうかは、全国初となる見込みの大阪市が試金石となろう。

 大阪府は、飲食店を利用する人にマスク着用を義務付ける方針だ。入店時だけではなく、会話中も着用を徹底してもらう。守れない人には入店を断ったり退店してもらったりするよう、店に求めるという。たとえ府の要請でも、店が客に対して、そんな対応をすんなりできるだろうか。疑問である。

 リバウンドは多くの県に広がっている。共同通信の集計によると、山口や鳥取など全国28都道府県で、先週の新規感染者数が前の週より増えた。宮城、山形県は独自の緊急事態宣言を出したほどだ。沖縄県では、若い世代や飲食関連の感染例が急増している。

 私たちの足元も心もとない。広島県ではきのう、新規感染者が20人に上った。うち18人は広島市で確認された。岡山県でも岡山市内の大学でクラスターが発生するなど、おとといは25人、きのうも19人に上った。対岸の愛媛県でも急増している。

 全国の現状を見ると、まん延防止策で対応できるのか。感染力を増したといわれる変異株には、どう対応すれば良いのか。不安が募る。

 このまま再拡大を許してしまえば、ワクチン接種に悪影響を与え、期待される感染抑え込みの効果を損ないかねない。高齢者を対象にした先行接種は、4月中旬にも始まる。医療・介護関係者や自治体職員らがリバウンド対策に忙殺されないよう地域を挙げた対応が必要である。

 第4波が本格化するのを防ぐための努力は、私たち一人一人にも求められている。この1年間の知見を生かし、感染リスクの高い「3密」回避など防止策の徹底を心掛けたい。 

  • 前の記事へ
  • 次の記事へ

 あなたにおすすめの記事

社説の最新記事
一覧