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#教師のバトン

2021/4/2 6:42

 子どもに将来就きたい職業を聞いた調査では必ず上位で見かける。それだけ「教員」は子どもにとって身近な存在なのだろう。ところが大学を卒業する頃には現実が見えるのか志願者が減り続けている▲教職の魅力を伝え、なり手を増やそうというのだろう。働き方改革や新しい教育実践といった前向きなエピソードを求め、文部科学省が「#教師のバトン」プロジェクトを始めた。現職教員にSNS投稿を呼び掛けている。明るい事例で深刻な長時間労働など負の側面を塗り替えたかったようだが、裏目に出た▲こんなんじゃバトンは渡せない。教員の仕事は家族の犠牲の上に成り立っている…。悲痛な叫びが飛び交っている。現場に働き方改革を求め、働かせ方を見直さない文科省へのいら立ちにも受け取れる▲折しも国会で、公立小を「35人学級」にする改正法が成立した。現場はますます人手を求められるに違いない。優秀な人材を確保するには、イメージの塗り替えより、業務見直しが先だ▲バトンは倒れ込みながら渡されるより、ゆとりを持って渡された方がつなぎやすいものだ。まずは教員たちの声を施策につなぐリレーから、プロジェクトの主に求めたい。

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