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被爆すずりに名、和典さんどこに 原爆ドーム保存工事で67年発見 現場責任者の長女、手掛かり探す【ヒロシマの空白】

2021/4/2 23:40
「持ち主の情報を探したい」と原爆ドーム(奥)の前で話すとみゑさん

「持ち主の情報を探したい」と原爆ドーム(奥)の前で話すとみゑさん

 「和典」―。裏面に持ち主の名前が残っていながら、本人の消息が分からない被爆すずりが原爆資料館(広島市中区)に所蔵されている。原爆ドーム(同)で1967年にあった第1回保存工事で見つかり、工事の現場責任者だった故二口正次郎さんが2004年に寄せた。「原爆の犠牲者のものならば、大切な遺品として遺族に知らせたい」。長女のとみゑさん(71)=佐伯区=は「和典」さんの情報を探し続けている。

 資料館によると、すずりは縦8センチ、横4センチ。第1回工事で、ドーム敷地内のがれきの中から見つかった。爆心地から約160メートル。表面に熱で溶けたガラスのような付着物があるほか、ひび割れている部分もある。

 「和典」の文字は裏面の左下に彫られている。資料館はその上の文字は「松」で、名字の一部とみているが、さらに上にあった可能性のある1、2文字は欠けてしまっているという。

 二口さんは04年、自宅で保管していたすずりを被爆資料として資料館に寄贈した。寄贈に同行したとみゑさんは「本当は『和典』さんのもの。ゆかりの人に手に取ってほしい」との思いを抱き続けている。会員制交流サイト(SNS)ですずりを紹介するなどして情報を募ってきたが、手掛かりは得られていない。

 ▽奨励館に勤務か
(ここまで 530文字/記事全文 1326文字)

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  • 「和典」の文字が裏面に彫られたすずり。所蔵する原爆資料館はその上の文字を「松」とみている(撮影・高橋洋史)
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