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デラックスなマンボウ

2021/4/3 6:00

 昭和世代にとって「DX」はデラックスを意味した。今は専らデジタルトランスフォーメーションを指すとか。だったら「DT」ではと突っ込みたくなるが、最新技術を用いて社会課題を解決する意味らしい▲そして「マンボウ」といえば水族館でのんびり泳ぐフグの仲間、または作家の北杜夫さんだったはず。それが今や、新型コロナの感染拡大を防ぐ「まん延防止等重点措置」を縮めた「まん防」である。対象の大阪市などで早くも定着しているようだ▲言いやすくて、語感も柔らかい。若者だけでなく、感染症の専門家や民放のニュースキャスターもしばしば口にする。正式名称の6文字目「等」の無意味さも、この略語の浸透に大いに貢献していよう▲ところが首都の知事は「マンボウって言葉、東京では使ってません」。緊急事態解除から再度のリバウンドへ…。耳当たりのいい言葉を口にすれば気が緩むと警戒するためらしい。「重点措置」の4文字で表すそうだ▲今どきのデジタル技術なら、市民の気の緩みと繁華街の人出、病院ベッドの空き具合はかなり正確に予測できそうな気がする。そんな感染対策のデラックス化、というかDX化の推進に期待したい。

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