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雑木林だった古墳、住民が一念発起 福山【備後を誇る コロナ禍を越えて】

2021/4/4 23:36
山の神古墳周辺の整備を終え、出来栄えをチェックする桑原会長(右端)たち

山の神古墳周辺の整備を終え、出来栄えをチェックする桑原会長(右端)たち

 福山市駅家町の駅家東地区の住民有志が、長年放置され雑木林になっていた同町法成寺の県史跡「山の神古墳」を清掃し、柵を設置するなど見学しやすい環境を整えた。新型コロナウイルスの影響で地域イベントが中止になったのを受け、約3カ月かけて集中的に整備した。古代を感じられる憩いの場として生かす。

 山の神古墳は6世紀に造られた円墳か前方後円墳とみられる。高さ3・3メートルの大規模の横穴式石室があり、須恵器や馬具類が多数出土。1948年に県史跡に指定された。その後は雑木や草が次第に生い茂り、20年ほど前からは安全に石室のある場所まで登るのが難しくなっていた。

 古墳が集中する同地区では貴重な史跡の一つとして住民の間では知られていた。ただ、夏場は虫や蛇が出るため近寄れず、秋から冬にかけては文化祭や住民学習会などのイベントが多いため整備の時間を作るのが難しかった。駅家東町内会連合会の桑原正和会長(74)は「コロナ禍でむしろ向き合うチャンスになった」と受け止めたという。

 市から古墳周辺の整備について「問題ない」との見解を聞いた上で、住民有志10人ほどが昨年12月、雑木や竹の伐採、草刈りを始めた。古墳上部に登る斜面には木で足場を作り、ロープや竹で転落防止の柵を設置。看板や手作りのつえも入り口に置いた。3月には、木立で見えなかった古墳の全体が一望できるようになり、石室まで行けるようになった。

 往時の姿が復活した古墳には、親子連れがピクニックに訪れる姿が増えている。今後は駐車場も整え、有志で定期的に清掃を続ける計画だ。桑原会長は「地元の子どもたちに古代のロマンを感じてもらいたい。町外からも訪れるようになれば、にぎわいにもつながるはず」としている。(川村正治) 

この記事の写真

  • 草木が生い茂る整備前の山の神古墳=昨年12月(桑原会長提供)
  • 石室をのぞき込む住民たち
  • 古墳の石室内で天井を指さす桑原会長
  • 古墳の横穴式石室の入り口
  • 雑木や竹が伐採され全体が一望できるようになった古墳

上記の写真をクリックすると拡大して表示されます。

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