2021・4・25参院広島再選挙

被買収者らの活動割れる 自民県連、世論や野党の批判警戒【再選挙4・25参院広島】

4・25参院広島再選挙2021/3/27 23:13
自民党広島県連が開いた定期大会。大規模買収事件の被買収者の一部も姿を見せた(広島市中区)

自民党広島県連が開いた定期大会。大規模買収事件の被買収者の一部も姿を見せた(広島市中区)

 ▽批判恐れ前面に出ず/「いつも通り支援」も

 参院広島選挙区の再選挙(4月8日告示、25日投開票)へ向け、自民党広島県連内で、2019年7月の参院選広島選挙区を巡る大規模買収事件で河井克行被告(58)=衆院広島3区=と妻の案里元参院議員(47)から現金を受け取ったとされる地方政治家や後援会員たちの関わり方が焦点になっている。新人を立てて信頼回復を訴える中、被買収者が選挙戦に加わり、世論や野党の批判にさらされるのを警戒している。

 27日、広島市中区のホテルであった党県連大会。再選挙へ弾みをつける場に、河井夫妻の公判で被買収者として証言した児玉浩前安芸高田市長と木戸経康広島市議が姿を見せた。終了後、報道各社に囲まれた2人は、再選挙への関わり方について「党員として支援する」「いつも通り頑張る」などと語った。

 ▽各地の実動部隊

 国政選挙では通常、地方政治家たちが実動部隊として汗をかく。地元を訪れた候補者の街頭演説に支援者を動員して応援弁士を務めたり、選挙カーを先導したり…。特に参院選は選挙区が県内全域と広く、表裏の事情に通じた政治家たちの支援は欠かせない。自民党は各市町に首長や県議、市町議を抱えており、選挙戦での強みとしてきた。

 そんな中、大規模買収事件の被買収者として渦中にある児玉氏たちの大会出席に、幹部の一人は「驚いた。なぜ来たのか」と憤りを隠さなかった。3度目の会長就任となった岸田文雄前党政調会長(広島1区)は「国民が疑念を抱くような選挙戦をやればマイナスになる。けじめをつけるのが大事だ」と語った。

 こうした空気を読み、党県連所属の県議12人、広島市議12人たち被買収の地方政治家の多くは、再選挙で前面に出る気配はない。

 19年7月の参院選広島選挙区で案里氏の初当選を支えた党県議の一人は「街頭演説には参加しないし、選挙事務所にも行かない。下手に支援者へ電話した場合、『また選挙に関わるのか』とマイナスになってしまう」と自嘲気味に語る。広島市議の一人も「ポスター張りなど表に出ない手伝いならする」との姿勢だ。

 ▽野党の攻撃材料

 大規模買収事件で傷ついた被買収者たちについて、党県連幹部の一人は「信頼回復につなげるためにも再選挙に関わらせるべきだ」と指摘するが、野党の攻撃材料になるのは必至だ。事実、大会があった27日、立憲民主党の福山哲郎幹事長は中区での街頭演説で「金をもらった人は選挙に関わる資格はない。自民党が反省しているかどうか疑問だ」と主張した。

 河井夫妻の後援会員たちも対応は割れている。克行被告から現金を受けとった県北部の70代男性は、自民党支部長として党県連大会に出た。再選挙では党新人のポスター張りなどを手伝うという。「克行被告が辞職し、再選挙で活動しやすくなった。地域住民も、被買収者は大規模買収事件に巻き込まれた『被害者』だと思ってくれている」

 一方で、安佐北区の80代男性は「地域のためと思ってずっと自民党の候補者を応援してきたが、検察の取り調べを受けて心身ともに参ってしまった」と打ち明ける。選挙には今後、一切関わらないとして「大規模買収事件で地域はめちゃくちゃになってしまった。自民党は反省してほしい」と訴えている。

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