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子ども会は町内会加入が条件、なぜ【こちら編集局です】

2021/4/10 21:52
吉島西1丁目のスーパーに張られた子ども会の入会を呼び掛けるちらし(画像の一部を修整しています)

吉島西1丁目のスーパーに張られた子ども会の入会を呼び掛けるちらし(画像の一部を修整しています)

 「子ども会加入を呼び掛けるちらしに『町内会加入世帯が対象です』と書いてありました。どちらも加入は任意なのに、なぜ」。広島市中区の50代男性が編集局に電話をくれた。取材を進めると、加入率の低迷に直面し、有効な対策を見いだせずに苦悩する子ども会の今が見えてきた。

 ▽役員の負担感などネック

 「子ども会だけ入るという自由があってもいいのでは」。電話口の男性は言う。男性に教わり、ちらしが張り出されていたスーパーに向かった。加入を呼び掛けていたのは「吉島西1丁目子ども会」。確かに、募集対象は「吉島西1丁目町内会に加入する世帯の吉島小学生」とある。

 どうして町内会加入が条件なのだろう。2020年度の同子ども会会長の迫田美奈子さん(41)に尋ねてみた。「規約があるわけではないが例年そう。町内会が活動費の補助をしているから」と言う。はっきりしたのは加入率の低迷だ。約200世帯が入る町内会で、同年度の子ども会の加入は10世帯だ。

 加入率の低さは同会だけの問題ではなかった。同会を含む五つの子ども会でつくる「吉島学区子ども会育成協議会」によると、全校児童数に対する加入率は19年度まで50%台をキープしていたが、20年度は29%に急落した。理由は子ども会の一つが「強制加入」をやめたため。活動しない世帯に対して配布物を届けるのが負担、と言う意見が役員から出たからという。

 同協議会で20年度まで4年間、会長を務めた沖元広和さん(40)の悩みは深い。「子ども会は地域の大人や違う学年と交流できる場」と重要性を実感する。しかし習い事で忙しい子どもが増え、「役員を引き受けるのは面倒」と考える保護者も多い。

 子ども会の良さを実感してもらうため、実費を負担すれば未加入世帯も行事に参加できる。だが「行事だけ参加するのはずるい」との声もなくはないという。

 取材に当たり、「子ども会」でインターネット検索してみた。広島市教委のホームページには「少子化や核家族化などに伴い、地域の絆を深める子ども会の存在意義はますます高い」とある。一方、検索の関連ワードには「やめたい」といった文言が並ぶ。始まったばかりの新年度。子ども会、どうしますか?(高本友子)

 <クリック>子ども会 町内会や自治会などを単位に、小中高生たちで構成する異年齢のグループ。活動を支える保護者たち育成者を含めた総称として使われる。とんど祭りやスポーツ大会、バーベキューなどさまざまな地域行事を開催。家庭や学校では難しい経験を子どもたちに与え、心身の発達や社会性の育成、地域コミュニティーづくりを支える。広島市子ども会連合会によると、加入条件や会費は各会が決める。

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