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ワクチン2回目、担当医不足で3週間超え 三原市の一部は4週間後【こちら編集局です】

2021/4/13 22:34

 高齢者への接種が始まった新型コロナウイルスのワクチンは、3週間を空けて2回目を打つのが基本だ。だが、編集局に「三原市の一部では4週間後にしか打てない。効果は大丈夫なのか」という疑問が届いた。今後、体調不良などできっちり3週間後に接種できない人も増えそうだ。どう考えればいいのか、行政や医療の関係者に尋ねた。

 ▽効果の違いは未知数

 現在、国内で使っているワクチンはファイザー社製。「ルールブック」とも言える添付文書を見た。すると、1回目の接種から3週間を超えたら「できる限り速やかに2回目の接種を実施すること」と書いてある。国も認める内容だ。

 三原市に聞くと、「3週間」を無視したわけではないという。平日に接種を担う医師たちの数が限られ、一部で3週間後の日程を組めなかったそうだ。市の担当者は「ご理解いただけたら」と話した。

 国の審議会の資料も参考にしたという。資料によると、ファイザー社のワクチンの有効率は「95%」。何もしなければ100人が発症するところ、ワクチンで5人に抑えられる、という意味だ。一方、2回目の接種が3週間を超え、24〜42日後になると有効率は「73・3%」に。効果が小さくなるように見える。

 ただ24〜42日後については、データが少なく、効果が小さくなると明確には言い切れないようだ。このためか「有効性は期待できる」とする企業見解も付いていた。世界保健機関(WHO)や米国は、3週間を超えた場合は6週間までに打つという目安があるとも紹介している。

 審議会の資料とは別に、イスラエルでは1回接種で有効率が85%とする報告もある。

 さて、どう解釈すればいいのだろう。今度は、厚生労働省に電話した。すると「3週間を超えたらできるだけ早く、としか言えない。4週間を良いとも悪いとも言えない」と答えが戻ってきた。広島県も「いつまでは大丈夫とは申し上げられない」。4週間を否定しない半面、お墨付きを与えるのも難しいようだ。

 感染症に詳しい広島市医師会の堂面政俊常任理事は「できる限り決められた間隔ですべきだ」としつつ「接種間隔に幅のあるワクチンも多い。1週間のずれで効果が大きく落ちるとは言えないのではないか」とみる。

 タイプは異なるが、英国などで使われているアストラゼネカ社製のワクチンは1回目から4〜12週間後に2回目を打つ。有効率は間隔が長いほど高いとの報告もある。子どものインフルエンザワクチンも1〜4週間の間隔を設けている。

 三原市は当初、接種間隔が4週間になることについて、市民に説明をしていなかった。コロナ禍では分からないことが不安につながってきた。丁寧な情報発信こそ、ワクチン接種を円滑に進める鍵になりそうだ。(衣川圭) 

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