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「新疆産」の糸は?

2021/4/16 6:43

 繊維が長く天然の油脂分が多いため、艶やかで滑らかな肌触りが特徴だそうだ。中国・新疆(しんきょう)ウイグル自治区で栽培される「新疆綿」。世界三大コットンの一つで、シャツやタオルの素材として人気が高い。上質な木綿の代名詞だった「新疆産」の評判がガタ落ちだ▲ウイグル族を強制的に働かせ綿花を手作業で摘ませている―。欧米の人権団体や投資家がそう指摘し、新疆綿を使う企業への批判を強めている。取引を続ければ人権弾圧を黙認しているのも同然だとみなされかねない▲スウェーデンの衣料品大手H&Mや米国のナイキなどが新疆綿のボイコットをいち早く表明した。中国政府は「強制労働はでっち上げ」と猛反発し、不買運動まで起きている▲日本企業の対応は歯切れが悪い。新疆綿の製品を扱うユニクロや無印良品の運営会社は、今後の取引をどうするか明言していない。不買運動などの報復も怖いのだろうが、中国の綿花生産の8割以上を占める新疆産の代わりをすぐに見つけるのが難しいといった事情もあるという▲人権だけではなかろう。環境にも目配りした経営が企業に求められている。消費者と結ぶ信頼の糸をどう紡いでいくかが問われている。

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