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カラスみたいな法服も

2021/4/18 6:38

 ぴかぴかの社章を着けた皆さんを見掛ける季節になった。社会人の証しで、務めの重みも教えてくれる。法曹界も同じらしい。検察官は「秋霜烈日(しゅうそうれつじつ)」バッジ、弁護士バッジはヒマワリ模様で「北風と太陽」の対比を思わせる▲残る裁判官バッジは何をかたどっているか。三種の神器の一つ、八咫鏡(やたのかがみ)だという。真実を曇りなく映した公正な裁きを意味する。法曹三者の素顔に迫る、広島高裁のインタビューで知った。5月1日からの憲法週間に向け、ホームページで公開中だ▲一連の記事では笑顔が目を引く。真顔しか見覚えのない裁判官が頬を緩めている。その一人は、ネイルアートの趣味が裁判員と同じで打ち解ける種になったと言う。どんな色にも染まらぬ黒い法服の奥の肉声がほんのり伝わる▲今月始まったテレビドラマ「イチケイのカラス」も、刑事裁判官に光を当てる。竹野内豊さんが演じるのは弁護士からの転身組。裁判所主導の捜査もいとわず、法壇を降りて被告人に語り掛ける。異色の裁判官である▲カラスのぬれ羽色は、光沢を帯びた青や紫、緑の色が浮かぶことがある。カラスみたいな法服もよく目を凝らせば、意外と黒一色ではないかもしれない。

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