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逆風にあえぐ雑誌

2021/4/19 6:35

 買い替えたころは重宝していたデジタルカメラだが、最近は手軽なスマートフォンで済ませてしまい、出番が減った。うなずく人も多かろう。世界でも出荷台数の減少が続き、コロナ禍の昨年は、ピークだった10年前の1割にも満たなかった▲スマホの台頭はカメラ業界を揺さぶっている。余波は見本市にまで及び、世界最大級というドイツの「フォトキナ」が70年の歴史を閉じる。来年の復活を期していたが、良質のレンズでも先が見通せなくなったようだ▲そんな業界の苦境も背景にはあるのだろう。三大カメラ雑誌で最後まで残っていた「日本カメラ」が、あす発売の5月号で休刊となる。通算千号が視野に入っていたが、出版社の解散で幕を引く▲コロナ禍に追い打ちをかけられたのはカメラに限らない。休刊となった雑誌は昨年以降100を超すという。女性誌に疎い小欄も聞き覚えのある老舗の「ミセス」でさえ、はね返せなかった。逆風の強さがうかがえる▲大型で持ち運びにくかったカメラは、小型になった上、面倒なフィルムからデジタルへと便利さを増してきた。雑誌も、手軽なウェブ配信へと進化していくのか。紙だけが持つ魅力も捨て難いのだが。 

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