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デジタル万能とは限らない

2021/4/20 6:00

 デジタル機器の普及は急だが、使い勝手は時と場合による。眼鏡なしで寝起きに見る柱時計なら断然、アナログ。長針と短針の角度でおよその時刻が分かる。目盛りさえ要らない▲最新の機器ならスピードアップできる、とも限らない。新型コロナのワクチン接種に当たって政府は、バーコード端末を全国に配り、接種の済んだ人数を即時に集計しようとした。だが、現場の医療スタッフに余計な手間は強いられないと、後日まとめて職員が入力する自治体も▲こうして政府が60億円以上を費やし、リアルタイムが売りのシステムを構築したというのに、国にデータが集まるのは数日遅れとなる始末。同じ巨費なら、一瓶でも多くのワクチン買い付けが先だったか▲接種の予約をキャンセルする高齢者がいて、保存の利かないワクチンを廃棄した会場もあるという。手間はかかるとしても、未接種の医療関係者に順に電話で声を掛けるなど、アナログな解決策がありそうな気がする▲デジタルは1か0か、二者択一の世界。これに対してウイルスは生き物なのか、そうでないのか、専門家の間でも結論が出ていないアナログな存在らしい。しばしば変異もする厄介な相手だ。

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