2021・4・25参院広島再選挙

岸田氏の求心力低下必至 自民敗北、総裁選再挑戦に影【再選挙4・25参院広島】

4・25参院広島再選挙2021/4/26 0:46
開票の行方を厳しい表情で見守る岸田氏(左)ら自民党広島県連の幹部

開票の行方を厳しい表情で見守る岸田氏(左)ら自民党広島県連の幹部

 参院広島選挙区の再選挙で自民党新人の西田英範氏(39)が敗れたことは、党広島県連会長として選挙戦を陣頭指揮した岸田文雄前党政調会長(衆院広島1区)の「ポスト菅」としての立ち位置に影を落とす。党総裁選再挑戦へ「負けられない戦い」だったからだ。

 【グラフ】各候補の得票数は

 「県連会長として心からおわびする」。西田氏の支持者が集まった広島市中区のホテルで、岸田氏は頭を下げた。

 広島は自身が率いる岸田派の拠点。池田勇人、宮沢喜一の両元首相を出し、県連所属国会議員8人のうち6人を岸田派が占める。次期首相を狙うには選挙の「顔」になれると示す必要がある。岸田氏は再選挙の「陰の主役」でもあった。

 再選挙は2019年7月の参院選広島選挙区を巡る大規模買収事件で有罪が確定した河井案里元参院議員(47)の当選無効に伴う。同選挙では党本部が強引に擁立し、陣営に1億5千万円を提供した新人の案里氏が当選。あおりで岸田派のベテラン現職が落選した。

 岸田氏は再選挙を党県連の「出直し選挙」と位置付け「自民党を作り直していく」と訴えた。選挙カーに乗り込み声をからした。岸田派議員や秘書団に携帯電話を配り、ノルマを設け電話作戦を指示。「あんな必死な姿は見たことがない」と周囲も目を見張った。

 一方で案里氏に肩入れした安倍晋三前首相や菅義偉首相、二階俊博幹事長を表立って批判することはなかった。昨秋の党総裁選で「踏み込んだ発言をしていく」と誓ったが、党内に波風を立てないことを優先したように見えた。

 敗因は自民党への不信に尽きる。「政治とカネ」問題の逆風に加え、説明責任を果たさない党本部と、党県連が同一視された結果だ。岸田氏の求心力低下は避けられない。(下久保聖司)

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