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決別 金権政治

「政治とカネ」追及奏功 改革へ問われる実行力【決別 金権政治】<第6部 民意の風>(4)

2021/4/29 22:56
参院会派「立憲民主・社民」の議員総会であいさつする宮口(手前)。奥左は立憲民主党代表の枝野幸男(28日、国会内)

参院会派「立憲民主・社民」の議員総会であいさつする宮口(手前)。奥左は立憲民主党代表の枝野幸男(28日、国会内)

 参院広島選挙区の再選挙で「変える勇気。その先へ」をキャッチフレーズに掲げた諸派新人の宮口治子(45)。「変える」の言葉には、金権政治からの決別という意味も込められていたという。宮口自身が「政治とカネ」の問題に注いだ熱量は、短期決戦の中で増した。

 選挙戦最終日の24日、宮口は広島市中区での街頭演説で声をからした。「『その先』へ進んでいいのは、過去と向き合い、清算してからです」。2019年7月の参院選広島選挙区の大規模買収事件を巡る自民党の対応を非難する言葉に、聴衆から「そうだ」の声や拍手が湧いた。

 一方、3月20日に立候補を表明後、選挙戦序盤までは、事件への言及は演説のパーツの一つにすぎなかった。「許せますか。一県民として恥ずかしい」などと触れた上で、障害者福祉、子育て支援、女性の活躍推進に多くを割くのが定番だった。「物足りない」(広島県内の野党関係者)との不満すらくすぶった。

 背景には「政治とカネの問題だけでは、幅広い有権者の共感を得られない」という陣営の読みがあった。宮口を擁立した立憲民主党県連内では、人選の過程で一時、事件で自民党を批判していた弁護士の郷原信郎(66)が有力視されたが、実現しなかった。政治とカネの一点突破を期待できた郷原とは違う「市民目線」を強みにもしようとした。

 一方で選挙戦が中盤を迎えた17日ごろからは、批判のトーンを上げた。「皆さんに『最大の争点は政治とカネじゃけえね』と言われた。その通りだと私も改めて強く感じた」。「金権政治を許さない」という有権者の意思は、宮口の勝利という形で示された。追及を強め、勝利につなげる戦略の転換は奏功した。

 ▽当選で口調変化
(ここまで 702文字/記事全文 1393文字)

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