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実刑見込む検察「反省の情 皆無だ」 克行被告は時折あくび【激震 河井元法相公判】

2021/4/30 22:55

 「反省の情は皆無だ」―。東京地裁で30日にあった参院選広島選挙区の大規模買収事件の論告求刑公判で、検察側は元衆院議員の河井克行被告(58)の主張を「虚偽」と断じ、懲役4年を求刑した。克行被告は目を閉じて聞いていたが、時折あくびをするなど緊張感に欠けた姿勢も。実刑を見込む検察側の求刑に、弁護人は戸惑いの表情をにじませた。

 2時間にわたった論告の終盤。「克行被告が犯行全体の首謀者」「当選7回の現職の衆院議員。最も自制すべき立場だったのに、犯行に及んだ」「選挙の公正さに対する国民の信頼を失墜させた」…。検察官は語気を強め、事件の悪質性を列挙した。

 昨年8月の初公判で克行被告が全面無罪を主張すると、検察側は現金を受け取った地方議員や後援会員を証人として申請。その大半が克行被告の買収の意図を感じたと証言した。追い込まれた形の克行被告は初公判から7カ月後の今年3月の被告人質問で突然、全面無罪の主張を転換させ、起訴事実の大半を認めた。

 克行被告は主張転換の理由を「後援会員らが証言する姿を見て自省した」などと説明したが、検察側はこの日の論告で「(地方議員や後援会員が)地位や名誉を失う覚悟で真実を証言したことに直面し、刑事責任を免れるのが困難と悟り、公訴事実を争わない形を採ったにすぎない」と強調。「真摯(しんし)な反省は皆無」と断じた。

 議員辞職についても「早晩議員の地位を失うことは必至で過大に斟酌(しんしゃく)されるべきではない」と注文。克行被告が逮捕後に受け取った歳費の一部を日本児童養護施設財団に寄付した点も「刑事責任を少しでも軽くしようとするにすぎない」と切り捨てた。

 論告の締めくくりでは、検察官はひときわ声を響かせ「相当期間の矯正施設内処遇が必須。前代未聞の突出して悪質な公選法違反事件だ」と指弾。懲役4年を求めた。目を閉じていた克行被告は眉間にしわを寄せ、厳しい表情を見せた。

 懲役1年4月、執行猶予5年の有罪判決が確定した妻の案里元参院議員(47)の論告とは違い、「矯正施設内処遇」を求めた検察側。ある幹部は「過去の買収事件の量刑に照らしても適切な求刑。実刑は免れないだろう」とみる。

 公判終了後、弁護人は「なかなか厳しい求刑だった」と漏らした。(中川雅晴)

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